安浪:志望校の合格ラインに今から届いていたら逆に怖いと思うんです。多くの子どもは慢心してしまうので。夏休み終わりまでは、どこを受けるにせよ中学入試の出題範囲を一通り勉強してきましたが、これからは志望校の過去問で点数を取れるようにしていくため時期なんです。学校によって出題傾向は本当に違いますので。
矢萩:もし本気になれないのなら、そもそも本当の志望校だったの? 本気でその学校に行きたいの? というところから問い直したほうがいいと思います。志望校が決まるタイミングは人それぞれなので、塾にいついつまでに決めてくださいと言われて決めたような学校が、今本当に行きたい学校であるかどうかは怪しいです。
安浪:最終の志望校の決定はご家庭にもよると思いますが、私の教え子のご家庭でも2校のうちどちらを第1志望にするか迷っていて、結局本番の2週間前、1月の中旬に決定したケースもあります。もちろん、2校とも過去問は解いていましたが。ですから、いつまで、という答えはないです。少なくとも今変更する必要はないと思います。
■お母さんの意見ではないですか?
矢萩:本当に行きたい学校がわかるのって、子どもやご家庭によって違ってきます。4年生でわかる場合もあるし、6年生の受験直前になってようやくこの学校に行きたいって思うこともある。塾の都合に合わせて志望校を決めてしまうと、だんだん志望校という言葉が持つ本来の意味合いが曖昧になってしまうんです。受験校と志望校はそもそも違う概念です。最終的にどこの学校を受験するのかは、お試し受験や滑り止めを含め、決めるのは直前になってもいいと思います。ただ本当に行きたい学校がどこなのかっていうことは家族みんなで共有して合意形成しておいたほうがいいですね。
安浪:この「志望校を変えたほうが」という意見、これ、お母さんだけの意見だったりしないでしょうか。親が不安で変更したほうがいい?と思ってしまう。子どもの中では全然考えていなくて、子どもに聞くと「受けるに決まってんじゃん」と言われてしまったり(笑)。
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