安浪:同感です。ただ都会に住んでいるとどうしても自然にどっぷりの生活をするのも難しい、という現実もありますよね。

矢萩:そうですね。公園だって厳密に言えば人間が作ったものですからね。でも、公園でもいいんです。外に出て、どんな虫がいるか、どんな草が生えているか、転んだら痛いよね、など、なんでもいいので外の世界で体験してみることが大事。そして外に出て遊ぶことで、子どもは何を知り、どう成長するのか、ということを、親自身が探究してほしいですね。探究といっても難しく考えるのではなく、自分の好奇心、もしくは自分が幼い頃に持っていた気持ちを棚卸しして、子どもと一緒に外の世界を楽しんでほしいんです。

■「公園にゲームを持っていく」のでもいい

安浪:子どもの探究心を育むためには、親も探究心を持とう、ということですね。外で遊ぼう、というと、最近の子は公園にゲームを持って行って遊んでいる、という話も聞きます。

矢萩:僕はそれでもいいと思っているんですよ。例えば公園でやれば時間と共に太陽の位置も変わって、だんだんタブレットの画面が見にくくなったりする。曇ってくることもあるだろうし、虫が飛んできたり、誰かが来て邪魔されることもあるかもしれない。家の中でやるより、外的要因がたくさんありますよね。それらをどうやって問題解決していくか、というのも意味があると思うんです。ゲームをやるにしても外でやるほうがマシかな、と思います。

安浪:たしかに!その視点はなかったです。面白いですね。外といえば、私が個人的におすすめしたいのは登山です。全身運動だし、あれほど全身全霊で自然と向き合うことってないですよね。日常的なものではないですけれど、一回の体験で得られるものが大きい。家族で登山するたびにその価値を感じます。

矢萩:僕も登山、すごくいいと思います。到達すること、乗り越えること、俯瞰することなどを身体で学べますからね。

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