「学生をナメてるのか?」と言われても、高田馬場のラーメン店主がこだわった“キーワード”の秘密 (2/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「学生をナメてるのか?」と言われても、高田馬場のラーメン店主がこだわった“キーワード”の秘密

連載「ラーメン名店クロニクル」

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らぁ麺 やまぐちの「鶏そば」は一杯880円(筆者撮影)

らぁ麺 やまぐちの「鶏そば」は一杯880円(筆者撮影)

■コンテストで準優勝を勝ち取るも、1年で撤退

「らぁ麺 やまぐち」は13年1月のオープン当初から、オンリーワンの存在だった。当時の高田馬場エリアは、こってり系のラーメンが全盛。にもかかわらず、鶏清湯(とりちんたん)のあっさりラーメンを提供し、開店2年目から見事5年連続ミシュランガイドのビブグルマンに選ばれている。ミシュラン一つ星の最筆頭候補との呼び声も高い。

 店主の山口裕史さんは福島県会津若松市出身。ラーメンの街、喜多方にある高校に通っていた。家族で食事に行くにもラーメン、家にお客さんが来たらラーメンの出前。そんな光景が当たり前だった。その後、地元で就職して工場勤務となった山口さん。交代勤務制で、週3~4日は昼間が空いていた。この時間を利用して、ラーメンの食べ歩きを始めた。
店主の山口裕史さん(筆者撮影)

店主の山口裕史さん(筆者撮影)


 それまでは喜多方ラーメンばかり食べていたが、福島には「白河ラーメン」というご当地ラーメンもある。喜多方ラーメンはモチモチの極太平打ち麺に、豚骨の清湯や煮干しをブレンドした醤油スープを合わせ、バラ肉のチャーシューがたっぷりのっているのが特徴だ。白河ラーメンも同じようなものだろうと思って食べに行ったら、違いに驚いた。手打ちした極太縮れ麺に、喜多方より濃い目の醤油スープを合わせる白河は同じ福島のラーメンでも、まったく別物だった。はじめは物足りなさを感じたが、何度も食べに行くとその良さがわかってきた。

 00年頃には、ラーメン好きの仲間とインターネットで情報交換するようになり、食べ歩きは加速していく。03年には自分でホームページを立ち上げ、食べたラーメンの記録を残し始めた。だが、数多くあるラーメンサイトに埋もれてしまい、なかなかアクセス数が伸びない。そこで始めたのが“自作ラーメン”のレシピ公開だった。

 もともと料理が趣味で、そば打ちもやっていた山口さん。中華麺に風味や色合いをつける「かんすい」をネットで取り寄せ、そば打ちの応用で手打ち麺を、スープは鶏ガラから作った。レシピをページで公開すると、これが大好評。オフ会でラーメンを振る舞うと、皆口々に美味しいと言ってくれた。この流れで関東の自作ラーメンのコミュニティとも繋がりができた。
らぁ麺やまぐち/東京都新宿区西早稲田3-13-4/火曜~金曜は11:30~15:00、17:30~21:00。土曜・日曜・祝日は11:30~21:00営業。各日売り切れにより早仕舞いあり/月曜定休(祝日の場合は営業、翌日休業)/筆者撮影

らぁ麺やまぐち/東京都新宿区西早稲田3-13-4/火曜~金曜は11:30~15:00、17:30~21:00。土曜・日曜・祝日は11:30~21:00営業。各日売り切れにより早仕舞いあり/月曜定休(祝日の場合は営業、翌日休業)/筆者撮影


 自作ラーメンの活動を続けていたある日、ラーメン評論家の大崎裕史さんから「ラーメントライアウトに出てみないか」と誘われる。立川のラーメン集合施設「ラーメンスクエア」で05年から開催されているイベントで、未来のラーメン職人を発掘する企画だ。上位入賞すると施設への出店権が与えられる。大崎さんはオフ会で山口さんのラーメンを食べたことがあり、その美味しさを知っていたのだ。



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