西原憲一(にしはら・けんいち)/税理士、ファイナンシャルプランナー。UFPF代表。税務コンサル会社に勤務後、2000年に独立。iDeCoやNISAなど資産運用にも精通する税金のスペシャリスト(写真/本人提供)
西原憲一(にしはら・けんいち)/税理士、ファイナンシャルプランナー。UFPF代表。税務コンサル会社に勤務後、2000年に独立。iDeCoやNISAなど資産運用にも精通する税金のスペシャリスト(写真/本人提供)

「注意点を一つ。退職金が支払われたあとにiDeCoの一時金を受け取った場合、退職所得控除の5年ルールは適用されません。『iDeCoを先に』が鉄則です」

 現状は65歳まで再雇用で働けるといっても、60歳でいったん定年退職になって退職金が支給される会社も多い。

 iDeCoは早くても60歳からしか受け取れないので、5年ずらして退職所得控除を2回使う作戦は難しい人が多そうだ。

「繰り返しになりますが、iDeCoをつみたてている期間の所得控除で得した税金分を考えれば、トータルで税金面もプラスになっている人が多いはず。

 iDeCoの目的は老後のお金を増やすことで、税金を減らすことではありません。どれくらいお金が増えているか楽しみにしつつ、コツコツと運用を続けることが大切です」

(構成/編集部・中島晶子、伊藤忍)

※『AERA Money 2022秋冬号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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