夫の斉藤敏弘さんと妻の藤原琳子さん(撮影/篠塚ようこ)
夫の斉藤敏弘さんと妻の藤原琳子さん(撮影/篠塚ようこ)

 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年10月10-17日合併号では、女優でアクティングコーチの藤原琳子さん、芸能事務所MPS代表でアクティングコーチの斉藤敏弘さん夫婦について取り上げました。

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 2008年、夫46歳、妻37歳で結婚。現在、大型犬3匹と2匹と暮らす。

【出会いは?】1997年、夫がアクティングコーチを務める演劇ワークショップに妻が参加して出会う。

【結婚までの道のりは?】ワークショップの指導者と参加者という関係から始まり、2002年に夫がアメリカ公共放送局PBSから依頼された日本の江戸時代を紹介するドキュメンタリードラマシリーズを2人で共同制作したことで親しくなり、03年から交際開始。08年に結婚。

【家事や家計の分担は?】家事は主に夫。夫は、ストレス解消として煮込み料理や風呂掃除をするほどの家事好き。妻は、役作りなどで減量が必要なときのみ料理を担当。家計管理も主に夫。

妻 藤原琳子[51]女優 アクティングコーチ

ふじわら・りんこ◆1971年、大阪府出身。大阪芸術大学舞台芸術学科卒業後、新生松竹新喜劇に入団。坂東玉三郎主演公演などの外部作品にも多数出演し2000年に退団。その後、結婚前から夫の作品に出演し、現在は若手俳優の育成にもあたる

 夫のことが好きすぎた。これが結婚の決め手です。人や動物に対するとんでもない温かさと、人を育てる才能。演技指導中に、その子が変わる瞬間を絶対見逃しません。

 表現って、自分がこうしたいという理想と実際にできる力量とのズレがあるものですが、彼はうまく軌道修正してくれる。あなたの一番の魅力はそれじゃなくて、これでしょ、と。本人も気づかない心の奥底の感情まで引っ張り出してしまう。私もかつて指導してもらった一人で、おかげで所属していた劇団でいい役がたくさんつきました。

 彼が「こうしたいよね」というと、無謀なことでも不思議と実現しちゃうのも凄いところ。おかげで“普通の女優”ではなかなかできないような雑木林の中や棚田、零下15度の豪雪地帯で大きな火柱が立つ前で演じるという貴重なキャリアを積めました(笑)。

 一緒に夢を見続けられるのも結婚してよかったと思うこと。今の夢は、うちに所属する約20人の子たちを世界で通用する俳優にすることです。

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