AERA 2022年90月19日号
AERA 2022年90月19日号

――オペラやゴスペルの要素が入ったほぼ英語詞の「When They Turn the Lights On」は「光が暗闇を照らしていく もう恐れるものはない」という日本語の一文で締めくくられる。

Taka:精密で奥深い唯一無二の日本語という言語を世界の人に歌ってほしいと思って、最後だけを日本語にしました。コロナ禍になってから僕の中で光が消えてしまった感覚があって、その光をもう一度灯そうというシンプルな思いで作った曲です。

 僕は日本を捨ててアメリカに来たわけではなく、日本を背負っているつもりです。侍魂みたいなものは、年を重ねるごとに強くなっています。

 自分たちが作った日本語の曲を、さまざまな人種の人たちが歌ってくれるのは、まさに音楽の力が働いているからだと思っています。音楽だからこそボーダーを超えられるという証明は、ミュージシャンがしていくべきだと強く思います。

■「信じる力」を歌う

――「運命を信じ、まだまだ挑戦し続ける」と歌う1曲目の「Save Yourself」を筆頭に、「Luxury Disease」には一貫して、“信じる強さ”を感じる。

Taka:ONE OK ROCKを始めてからずっと、信じる力について歌ってきました。歌詞や音やボーカルで表現することはすごく難しいんですが、今回、ロックアルバムを作ると決めた時に、その力をさらに増幅させて作品に乗せたいと思いました。その繊細な部分を音や歌や歌詞から感じてもらえるのは、すごくうれしいことです。

――歌詞でもMCでも心がけているのは、苦しんでいる人たちに希望を伝えることだという。

Taka:人間って、誰もが生きていくのは大変だと思うんです。その大変さは共有することで、もしかしたら希望に変わるかもしれない。そう感じてもらえるのが、僕らの楽曲やライブだと思っています。

 発言することによって時には批判される立場に自分がいることはわかっていますが、僕は我慢ができないんです。やると決めたことは絶対にやりたい。それだけなんです。そして、誰に何を言われても、自分らしく生きていくことがファンに対しての一番誠実な姿勢だと思っていますし、やると決めたことは絶対にやりたい。そうやって生きることが、誰かの背中を押せればいいなと考えています。

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