※AERA 2022年9月12日号より
※AERA 2022年9月12日号より

 どこに就職するか。大学生や保護者には気になるところだ。AERAムック「就職力で選ぶ大学 2023」の独自ランキングをAERA2022年9月12日号の記事で紹介する。

【図表】実就職率が高い大学ランキングはこちら

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 大学の就職力は、地域や学部、就職先など様々な切り口から検証すると分かりやすくなる。


 就職率を地域ごとにみると、全国的な知名度はないが就職力の高い大学が分かる。地域別の就職率ランキングは、医療系や教員免許など、就職に有利な資格が取得できる、比較的規模が小さな大学が並ぶ。東北文教大(山形)、自治医科大(栃木)、育英大(群馬)、長野県立大(長野)、四條畷学園大(大阪)、山口学芸大(山口)といった各地域のランキングトップの大学は、全てこの条件に当てはまる。


 各地域の代表的な工科系大学がランクインしていることも特徴で、八戸工業大(青森)や東北工業大(宮城)、豊田工業大(愛知)、金沢工業大(石川)、愛知工業大(愛知)、大阪工業大(大阪)、福岡工業大(福岡)などがある。


12年連続首位は


 女子大も、トップの東京女子医科大(東京)以下、比較的小規模な大学が並ぶ。そうした中で8位の昭和女子大(東京)は、卒業生1千人以上と規模が大きな女子大の中で、12年連続で1位だ。この規模の大学では、10位の実践女子大(東京)や13位の安田女子大(広島)などが入った。


 企業の採用担当者は、採用で所属学部を考慮しないという。それでも、結果として学部系統によって就職に強い弱いはある。全体的に就職率が低い文系学部にあって、文学部は特に低い系統に分類される。就職率ランキング中、90%を超えているのは1位の名古屋女子大(愛知)以下、8大学のみ。商・経営・経済学部ランキングで全大学が90%を超えているのとは対照的だ。法学部の実就職率も低く、文学部同様に90%を超えている大学は、1位の日本文化大(東京)以下、8大学だ。


 対照的に理系学部は就職に強い学部が多く、医療系などの資格が取得できる学部を除くと、理・工・理工学部は実就職率が最も高い系統だ。1位の豊田工業大・工以下、全大学が90%を超えている。

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