プラチナジュビリーでセントポール大聖堂で礼拝するヘンリー王子とメーガンさん(写真・AP/アフロ)
プラチナジュビリーでセントポール大聖堂で礼拝するヘンリー王子とメーガンさん(写真・AP/アフロ)

 2021年3月、オプラ・ウィンフリーさんのインタビューで、メーガンさんは「泣かされたのは私だ」とひっくり返していた。「その証拠にキャサリン妃はその後、花束とカードを持ってきた。これは謝罪だ」と言った。続けて、「真実とはまるで逆の話がまかり通り、ショックでした。やっていないことで責められて、気持ちを整理するのは難しかった」とまで言った。「王室の人たちは間違いと知っているのに、私は悪者にされた。ここはキャサリン妃が正してくれたらいいのにと思う。彼女は良い人だから」と続けた。

 しかし、このたびのバウワーさんの本によると、複数の新証言により、やはりメーガンさんがキャサリン妃を泣かせている。「キャサリン妃が他人と仲たがいした話を聞いたことがない。彼女は人との付き合いにきわめて注意深い」との証言もあった。

 キャサリン妃は、メーガンさんとの確執を外に出すべきではないとその後いっさい触れず、タイツにまつわる話は解決済みと思っていた。それがオプラさんとのインタビューでメーガンさんが蒸し返したので、きわめて不愉快な思いをしたという。

 タイツの騒動があった当時、キャサリン妃はルイ王子(4)を4月23日に出産して3週間足らず。睡眠不足が続き体調が万全でなかったので、精神的に不安定だったかもしれない。花束はメーガンさんへの謝罪などではなく、義理とはいえ姉妹になるのだから、うまくやっていきましょうとの呼びかけだった。メーガンさんは、キャサリン妃は言い返す立場にないことを承知での発言だった。

 バウワーさんは「この本には真実でないこと、裏付けが取れないことはいっさい書いていません」と話している。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

AERAオンライン限定記事

著者プロフィールを見る
多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

多賀幹子の記事一覧はこちら