AERA2022年4月4日号より
AERA2022年4月4日号より

 どの学部の学生でも希望すればデータサイエンスを学べる法政大学では、受講後にデジタルの修了証明書を授与している。就活にも生かしてもらおうという狙いがある。

「21年度に授業を始めたところ、当初100人ほど受講すると見込んでいましたが、1500人の希望者が集まりました。抽選で1100人が受講することになりました」(広報課)

 データサイエンスを学べる学部学科は今後も増えていきそうだ。23年度には女子大で初めてのデータサイエンス学部が京都女子大学にできる。竹安栄子学長はこう話す。

「他大学のデータサイエンス学部の学生はまだ女性の割合が少ない。そこで本学で95人の女性のデータサイエンスの担い手を育てます。女性の就労や貧困など、女性の社会課題についてもデータサイエンスを使って解決したいと思います」

AERA2022年4月4日号より
AERA2022年4月4日号より

■入学後も数学サポート

 女子大は一般的に文系のイメージが強い。だが、京都女子大学は数学I・Aを受験科目に選択できる試験方式を用意したうえで、入学後も数学を手厚く指導するという。学部長に就任する予定の栗原考次さん(現・岡山大学教授)はこう説明する。

「数学が苦手な方にもサポートします。授業外で補習をしますし、ティーチングアシスタント(TA)も付けて教員ときめ細かい指導をしますから、困ったときは聞いてください」

 東京23区では大学の定員を抑制する措置が取られているため、新学部を作りにくい。一方、地方は受験生を確保するためにもデータサイエンスなど新学部設置の動きが活発だ。

 駿台教育研究所の進学情報事業部長、石原賢一さんは受験生にこうアドバイスする。

「英語やパソコンの使い方のように、データサイエンスはこれからの身につけるべき素養になっていくでしょう。無理をしてデータサイエンス学部に進む必要はなく、自分の好きな学問と掛け合わせで活用していくといいと思います」

(編集部・井上有紀子)

AERA 2022年4月4日号より抜粋