鴨下香苗(かもした・かなえ)/1980年、横浜市出身。2003年、早稲田大学法学部を卒業。同大大学院法務研究科を中退し、慶應義塾大学大学院法務研究科修了(写真:本人提供))
鴨下香苗(かもした・かなえ)/1980年、横浜市出身。2003年、早稲田大学法学部を卒業。同大大学院法務研究科を中退し、慶應義塾大学大学院法務研究科修了(写真:本人提供))
 大学の魅力を語るうえで校風も重要なポイントになる。早稲田大学と慶應義塾大学それぞれの校風の特徴とは何か。AERA 2021年12月13日号で、早慶のどちらにも進学した経歴を持つ弁護士・鴨下香苗さんが語る。

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 女子高の出身なので、自由で闊達(かったつ)なイメージがあった早稲田に興味がありました。

 入学した1990年代は、慶應がAO入試(現・総合型)や小論文を導入する入試改革をしていました。多様な人材を入学させたいという大学の意向を感じました。でも、正直受験生としては小論文対策がしにくかったです。

 早稲田に入って、びっくりしました。昼寝研究会という人たちが、大隈重信像の前で昼寝をしていたんです。メガホンで叫ぶ人やげたをはいた人もいました。高校生活とのギャップに初めは面食らいましたが、次第に自由で面白いと思いました。

 早稲田は学生が能動的に欲すればチャンスがいくらでもあるイメージです。大学から細やかに提案があるわけじゃないけど、こっちが興味を持てば、図書館も大きいし、研究も充実している。自分次第だと思います。

AERA 2021年12月13日号より
AERA 2021年12月13日号より
 学部を卒業して、弁護士を目指し始めました。新司法試験が始まり、法科大学院ができたばかりのころでした。

 早稲田の法科大学院に入ったのですが、法学未修者がメインだったため私には学習内容が合わず、既修者が主軸の慶應の法科大学院に入り直しました。私と同じく早稲田の法学部出身の学生がいました。

 慶應は「みんなで頑張ろう」という空気がありました。試験前に、クラスでレジュメが回ってきたし、みんなで高め合っていました。助け合いの精神のある慶應の良さですね。

 いま早慶戦があるとなぜか早稲田を応援してしまいます。仲間と肩を組んで校歌を歌いながら応援した楽しい思い出があるからかもしれません。

AERA 2021年12月13日号