代表選で泉氏の推薦人だった馬淵澄夫元国土交通相は国会対策委員長に起用された
代表選で泉氏の推薦人だった馬淵澄夫元国土交通相は国会対策委員長に起用された

「自分の体はもう一人のものではない、という思いがあるのだと思います。とくに地方で党勢を支えている地方議員、逆境でも党を支えてくれるサポーター。上意下達ではなく、そうした人々と対話し、それを参議院選挙の公約として一緒に練り上げる。本人が立憲民主党の次世代として覚悟を決め、覚醒した感があります」。泉代表も小川氏の観衆を引きつける「熱」や「対話力」に期待する。

泉氏が率いる党内グループ所属の大西健介衆院議員は選挙対策委員長に起用された
泉氏が率いる党内グループ所属の大西健介衆院議員は選挙対策委員長に起用された

 ある意味、枝野幸男前代表よりも先輩の逢坂誠二氏を、予算や権限は三役より劣る代表代行という職にとどめたのは、自身と最も距離のある党内最大派閥サンクチュアリを意識した人事とも言える。つまり、三役は「世代交代」。逢坂氏はベテランとして立憲の「幅」を内外にアピールする役割なのだ。この他、党内の融和の鍵となる両院議員総会長にはベテランの阿部知子氏。選挙対策委員長に大西健介氏。国会対策委員長に馬淵澄夫氏と自身に近い中堅議員を置いた。

 6日に臨時国会が召集され代表質問に続き、予算委員会も開催される。立憲民主党にとって岸田政権は、国家主義、権威主義の色合いが強かった安倍・菅政権とは違い、明確な「対抗軸」を国民に示すことが難しい相手だ。泉新執行部は何をもって対峙するのか。コロナ対策、来年度予算の中身の検証など課題は山積だ。立憲の政策は間違っていないと語る泉氏。では、何をもって立憲の独自色を打ち出し、党勢浮揚を目指すのか。早くもその手腕が問われることになる。(編集部・中原一歩)

AERA 2021年12月13日号より抜粋