岸田首相より17歳年下で、理念や政策が近い泉健太氏が立憲民主党の新代表に選ばれた
岸田首相より17歳年下で、理念や政策が近い泉健太氏が立憲民主党の新代表に選ばれた

 立憲民主党の新代表は47歳の泉健太氏になり、西村智奈美氏を幹事長に起用するなど挙党態勢を組む。だが、岸田自民と対抗軸をどう打ち出すかなど問題は山積だ。AERA 2021年12月13日号から。

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 代表選の翌日、早速、泉健太新代表は人事の骨格を発表した。そのコンセプトは「代表選を共に戦った3人の執行部入り」「旧立憲を意識したバランスと世代交代」だ。いずれも来年7月に行われる参議院選挙を意識した布陣である。

 幹事長に抜擢されたのは西村智奈美氏。女性初の幹事長の誕生は、これまでリベラル政党でありながら、執行部は男性ばかりと党内で揶揄されてきた立憲にとって明らかな「刷新感」がある。一方、幹事長は党内の最高権力者。国会開催中はほぼ毎日記者会見するなど党運営の全てを任される要職だ。所属議員の不祥事対応なども幹事長が請け負う。本人へのプレッシャーも相当なものだろう。西村幹事長が本当の意味で機能するためには、その体制を党全体で支える覚悟があるかどうかだと西村氏を推したベテラン議員の一人は話す。

「民進党時代、蓮舫氏が代表に就任した時、党の職員や所属議員が、終始『お手並み拝見』と蓮舫氏を突き放し、積極的にその体制に協力しないことがあった。その二の舞いでは絶対にうまくいかない」

 ある意味で西村氏の登用は「国民や維新に近い」と噂される泉代表本人の政治的立ち位置を解消するためのバランサーとしての役割も果たす。

■執行部の手腕問われる

 参議院選挙に向けた党の公約、そして、立憲民主党としてどのような政策や法案を国会の場で打ち出すか。その責任者となる政調会長には小川淳也氏が起用された。これまでは、自身の選挙区で勝利することに精いっぱい。「永田町の修行僧」とも呼ばれ、党内の出世にも無頓着だった。しかし、党に対して貢献する余裕がなかったことが代表選における地方票の低迷につながった。結果、総選挙と代表選を経て、小川氏本人の意識も大きく変わったと後援会幹部は語る。

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