すると、自然と相手への礼儀が生まれます。礼儀って自分を守ってくれるもの。盾になってくれます。
人見知りの人が、自分の壁を突破して自分を出していく行為って、自己PRみたいなものです。自己PRには、周りが見えなくなるという罠があると僕は思っています。普段はよく周りが見えている人でも、自己PRに夢中になってしまうと発言を外してしまったり、いらない一言を言ってしまったりするみたいな、そういう罠にはまりがち。
でも、相手が素晴らしい人間だと思うと、相手ベースで物事を判断していけます。相手のことがもっとクリアに見えてきて、この一言は言ってもいいなとかその場の空気も見えてくる。
そういう社交術やテクニックをまじめに追求するのも面白いと思います。20代までは、仕事でもコミュニケーションでも、負けを突きつけられて、自分が勝てるものは何だろうって悩んでしまうし、毎日真剣に考えると思います。でもその時間は決して無駄じゃないから。動物ドキュメンタリーとかを見ると、自分に適した生き方のヒントや勇気をもらえるので、おすすめです。
しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2021年10月25日号