インタビューに答える志位和夫委員長。「本気の共闘の態勢をつくり、政権交代、新しい政権をつくる選挙にしていきたい」/8月30日、日本共産党本部(撮影/写真部・高野楓菜)
インタビューに答える志位和夫委員長。「本気の共闘の態勢をつくり、政権交代、新しい政権をつくる選挙にしていきたい」/8月30日、日本共産党本部(撮影/写真部・高野楓菜)

 菅義偉首相は自民党総裁選に立候補しないと表明した。これにより菅政権は1年で幕を閉じることになる。共産党・志位和夫委員長(67)は、総裁選や菅政権をどう見るのか、共産党は衆院選でどう闘うのか。AERA 2021年9月13日号のインタビューを紹介する。

【写真】志位和夫委員長「マイナス100点」をつけた

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──9月3日、菅義偉首相が突然、自民党総裁選不出馬を表明。これで、9月末をもって首相を退任することになります。

 菅首相の政権投げ出しという事態となりました。これは、世論と運動に追い詰められた結果だと思います。

──総裁選をどう見ますか。

 誰が新しい総裁になったとしても、そこから新しいものは生まれてきません。一方で、野党が結束して、政権交代を実現することが急務です。

──菅政権の発足から約1年。100点満点で点数をつけると何点でしょう。

 マイナス100点。

 特にコロナ対応では科学を無視し、国民に説明せず、コロナ対応にまで自己責任論を持ちこみました。菅政権に国政を担う資格がないことは明らかでした。

──そうした中、次期衆院選が10月21日の任期満了後に想定されます。共産党にとってはチャンスです。どう闘っていきますか。

 最大の争点はコロナです。

 選挙の時にどういう感染状況になっているかは見通せませんが、まだまだ大きな猛威をふるっているもとでの選挙になると思います。ワクチンの迅速接種、大規模検査、医療体制の強化、十分な補償が大きな争点になると思っています。

 同時に、コロナの体験を踏まえて、どういう新しい日本をつくるかが、もう一つの争点になってくるだろうと思います。コロナの後は元の社会に戻るのではなく、これだけ苦しい思いをしたんだから、良い社会にしていこうということが、争点になってくるだろうと。

(構成/編集部・野村昌二)

AERA 2021年9月13日号より抜粋