秋元さんにはリモートでご挨拶しましたが、「ジェシーのホームじゃない環境で、一人の役者としてどれだけお客さんに好きになってもらえるか、この舞台自体をどれだけ愛してもらえるかが勝負だね」というお話をいただきました。秋元さんもジャニーさんも言っていたことですが、「舞台はナマモノ」だから面白いと思う。ライブ感というか、ちょっとした失敗もアドリブでうまく笑いに変えることもできますし、毎日、お客さまに新鮮な楽しさを提供することもできる。それは俺も今までジャニーズの舞台で経験して知っていることなので、一回一回を楽しみたいです。

■失敗にも人間性出る

――10歳でジャニーズ事務所に入った。そこからたくさんのステージに立ち、たくさんの壁にぶち当たって、乗り越えてきた。そこで気づいたのは、意外にも「自分はネガティブだ」ということだという。

 常に自分に期待しないで、最悪な状態だと思って臨むようにしています。そうすると、ちょっと褒められてもうれしいし、達成感も得やすい。昔から、そうやってなんとか生きてきました。歌番組でもコンサートでも、ポーカーフェイスで堂々と立っているように見えて、めっちゃ緊張しているんです。「歌詞を間違えたらどうしよう」「今、みんなに見られてる」と思うと、あっちこっちに気がいっちゃう。考えなければできるのに、それで失敗することもあるので、そんな時は自分に本当にムカつきます。だからといって、「考えない」のは難しいし、恐れていたら何も生まれない。「オレにしかできないことはこれだ!」という思い込みでやっていくしかないのかな、と。きっと、失敗にも人間性が出ますよね。一生懸命やっていたら伝わるし、またチャンスを与えてもらえるので、自分は救われてきたのかなと思っています。

――自分の個性を見つけるまでには苦悩もあったと振り返る。

 俺の場合は、事務所に入ってすぐステージに立たせてもらえたし、マイクを持ってソロで歌わせてもらうのも早かったんです。そういう状況は、ファンの人から「事務所から推されている」と見えて、ファンがなかなか増えないこともあるんです。「別に私が応援しなくても……」と思われがち、というか。もちろん、応援してくれる人もいるんですけど、自分ではそんな状況もあったと感じていて。でも、それなら、「一番のファンではないけど、なんか好きだな」とか「あいつ、面白いじゃん。ちょっと気になるな」という存在にだったらなれるんじゃないかな、と思ったんです。それで、積極的にふざけるようになったところもあります。

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