適応障害は7月こそ要注意 「誰でも発症する可能性ある」医師が警鐘 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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適応障害は7月こそ要注意 「誰でも発症する可能性ある」医師が警鐘

羽根田真智AERA
AERA 2021年7月19日号より

AERA 2021年7月19日号より

AERA 2021年7月19日号より

AERA 2021年7月19日号より

池井佑丞(いけい・ゆうすけ)/株式会社リバランス代表。複数の企業で産業医として勤め、現在従業員1万人規模の統括産業医を務める(写真:本人提供)

池井佑丞(いけい・ゆうすけ)/株式会社リバランス代表。複数の企業で産業医として勤め、現在従業員1万人規模の統括産業医を務める(写真:本人提供)

 著名人らの「適応障害」報道を横目に、「自分だけは大丈夫」と思っていませんか。実は「今の時期、今の状況」は適応障害がより発症しやすいという。ストレスをためこむとだれでも発症する可能性があります。AERA 2021年7月19日号は「適応障害」特集。

【図】産業医と主治医の違いはこちら

*  *  *
 まさか、あのほんわか癒やし系の深キョンが……。

 俳優の深田恭子さん(38)が適応障害で休養することを所属事務所ホリプロが発表して約1カ月半。適応障害といえば、皇后雅子さまが皇太子妃時代に公表した病気としても知られる。産業医の池井佑丞さんが言う。

「適応障害は、特定のストレス要因に反応してさまざまな症状が表れ、社会生活に支障が出てくる病気。だれでも発症する可能性があります」

 つまり“ほんわか癒やし系”でも、適応障害と無縁ではない。

 池井さんは、「今の時期、今の状況」が適応障害をより起こしやすくしていると指摘する。主な理由は三つ。まず、異動、就職、入学など環境の変化が訪れる4月から数カ月が経ち、知らないうちにためていたストレスの影響が出てきやすいタイミングであること。

■コロナの我慢も限界

 次に、自律神経の乱れだ。気圧の変化が大きい梅雨や台風シーズンは自律神経のバランスが乱れ、心身の不調が生じやすくなる。

 さらに、コロナの影響だ。テレワークで苦手な上司や同僚と会わなくなりストレスが減った人がいる一方で、「親しい人とのコミュニケーションが取れない」「好きな外食や旅行ができなくなった」「仕事や収入が減った」「不安を煽(あお)るような報道を連日目にする」「運動量の激減」など、新たなストレス要因を抱える人が増加。昨年は何とかやり過ごせた人も、相次ぐ緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などで、我慢も限界に近づいてきている。先の見えない状況が拍車をかけている。

 適応障害の症状は、精神、身体、行動に表れる。精神では、抑うつ気分、不安、怒り、焦り、動悸、意欲・集中力低下、イライラなど、身体では不眠、食欲不振、倦怠感、頭痛、めまい、腹痛など、行動では、朝起きられなくなる、電車に乗れなくなる、暴飲暴食などだ。

「同様の症状を呈するうつ病との大きな違いは、うつ病はストレス要因に関係なく慢性的に症状を呈するのに対し、適応障害は明確なストレス要因が原因で発症する点です」(池井さん=以下同)

 そのため、適応障害の治療ではストレス要因から遠ざかることが治療の最重要ポイントになる。薬物治療が中心となるうつ病とは、そこも異なる。

「ただし、きっかけは適応障害でも、抑うつが長引いてうつ病になる人もいます。そうすると薬物治療のウェートが増します。診断時には、どの段階かを見極めなくてはなりません」


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