「東北には『下請けの殻』にこもりがちな企業が少なくなかった。チャレンジしてくださいと呼びかけてきた」

■地元がGE風車を保守

 潟上海岸の風車22基はすべてGE製だ。地元の6人のチームに、風車の発電システムの基礎などを英語も含めて研修した。そのチームはいま、他のGE風車の保守、修理も担当している。山本さんは秋田県立大学で風力発電の講座をもち、風車エンジニア発掘の可能性も探る。

 こうした「人づくり」の重要性については、「秋田風作戦」の佐藤裕之会長も同じ考えだ。

「潟上で活躍しているようなメンテ部隊をもっと作ったり、エンジニア養成のための学校を作ったり。GEさんら風車メーカーとの協力場面はいくらもある」

 システムの機密を重視するメーカーが多いなか、風車関連産業を広げる試みが始まっている。(ジャーナリスト・菅沼栄一郎)

AERA 2021年5月31日号