中国の「若者狩り」に「息を潜めて暮らす」香港人女性 諦めムードの一方で“長い闘い”覚悟する人も (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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中国の「若者狩り」に「息を潜めて暮らす」香港人女性 諦めムードの一方で“長い闘い”覚悟する人も

今井一AERA
香港終審法院(最高裁)に入廷するリンゴ日報の創業者・黎智英氏/2021年2月9日(写真:Cheng Wai Hok)

香港終審法院(最高裁)に入廷するリンゴ日報の創業者・黎智英氏/2021年2月9日(写真:Cheng Wai Hok)

AERA 2021年5月3日号-5月10日合併号より

AERA 2021年5月3日号-5月10日合併号より

 蘋果日報(リンゴ日報)の創業者・黎智英(ジミー・ライ)氏の実刑判決の衝撃は大きかった。弾圧のだめ押しとも言える事態に、香港の若者たちは何を感じているのか。AERA 2021年5月3日-5月10日合併号で取材した。

【図】香港民主派の自由が次々と奪われている

*  *  *
「政府が言う『無許可デモ』に参加した香港人は逮捕を免れるために逃亡しているか、すでに捕まって投獄されているか。そして、私のように息を潜めて暮らしているかです」

 2019年の大規模デモにたびたび参加したという20代の会社員女性はこう語る。

 彼女は平和的なデモや集会に参加するだけの「和理非派」で、武装警官と直接ぶつかり合う「勇武派」ではなかった。それでも、自分も捕まるのではないかという恐怖がある。スマホを使っての友人とのやりとりは、かつてのように香港政府や中国共産党への批判は絶対に書き込まないようにしているという。

「自由にものが言えたあの日々が夢のようです。デモの日はいつも、銅鑼湾(コーズウェイベイ)の『そごう』前で友人らと合流してからプラカードを手に歩き始めました。なので、あそこに行くと涙が止まらない」

 あの日、銅鑼湾、湾仔(ワンチャイ)、金鐘(アドミラルティ)という香港随一の目抜き通りを埋め尽くした100万人、200万人もの熱気は、すっかり失われた。1年半前、香港中文大学や理工大学で繰り広げられた壮絶な武装闘争も「伝説」と化しつつある。

■長い闘いになると覚悟

 そんななか、「蘋果(ひんか)日報(リンゴ日報)」は怯むことなく香港政府への批判を続け、同紙の創業者である黎智英氏も連日のようにツイッターで中国の習近平・国家主席や中国共産党をなじっていた。その黎氏が4月16日に実刑判決を受けたわけだが、彼のような著名人だけでなく、無許可デモに参加したなどとして、これまでに若者を中心に1万人強の香港市民が逮捕。この原稿を書いている4月20日も60人以上が逮捕された。


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