「ユニクロ」でも「ジーユー」でも「トップバリュ」でもいいのですが、自分が着やすく、快適に動けて、似合うものを選ぶほうが幸福度は高いと思います。
 
 なぜこの視点が重要か——。地位財で得られる幸せを求めると、きりがないうえ、いつまでもお金が必要になるからです。

 ミシュランの三ツ星のレストランで5万円の料理を堪能するなら、その5万円分で自炊すれば、何十倍もの幸せがやってくるかもしれません。
 
 1時間で数万円の高級エステサロンに行くのはいい気分ですし、一時的に美しくなるでしょう。でも、毎日1万歩を歩いたほうが、内面から体が引き締まり、肌つやもよくなります。

 もし毎日の歩数を確認したい場合は最先端のおしゃれな「アップルウォッチ」か、3000~1万円程度のスマートウォッチか。これも見た目ではなく、自分が欲しい機能が入っているものを買えばいいのではないでしょうか。
 
 もちろん、自分が本当に欲しいものが、結果としてブランド品であれば地位財にはなりませんが、あくまでそのブランドの品質を理解し、応援したい、しかも高価格に納得がいく場合のみ買うようにしましょう。
 
 友人選びも大切です。地位財でかためた人が周りに増えると引きずられてしまいます。モノや交友関係を非地位材メインにすることで、あなたの収入も、よりうまく使えるようになります。

(編集・中島晶子、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 2021春号』より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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