勝間和代(かつま・かずよ)/経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。1968年、東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA(経営学修士)、慶應大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。スキルアップや起業、出版などをサポートする「勝間塾」や無料メルマガが大人気。ツイッターのフォロワー数76万人超。著作の累計発行部数は500万部を突破(撮影/片山菜緒子)
勝間和代(かつま・かずよ)/経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授。1968年、東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA(経営学修士)、慶應大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。スキルアップや起業、出版などをサポートする「勝間塾」や無料メルマガが大人気。ツイッターのフォロワー数76万人超。著作の累計発行部数は500万部を突破(撮影/片山菜緒子)

 経済評論家であり、ここ数年は調理家電や時短家電を使った「ロジカル家事」の著書でも大人気の勝間和代さん。「AERA Money 2021春号」の連載「人生を幸せにするお金のレシピ」から一部抜粋してお届けする。

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 こんにちは、勝間和代です。今回は地位財、非地位財について書きます。

 私たちはさまざまな製品やサービスを得るためにお金を払います。

 そのときに持ってほしい視点が、「その製品やサービスは、他人からうらやましいと思われることにより幸せな気分になるものか、それとも純粋に自分が幸せになれるものなのか」ということです。
 
 他人からうらやましいと思われるほうは「地位財」。割高なブランド品や高級外車、立派な自宅、血統書付きのペットなどがそれにあたります。平たく言うと間接的なマウンティングにより自分を幸せにしようとするものです。
 
 一方、健康な体、仲のいい家族関係や友人関係、自分が設計したバックパック旅行、誰も評価しないけれども自分にとっては大切な趣味の時間など、人との比較ではなく自分の充実を基準にして幸せを得ようとする財産のことを「非地位財」と定義されています。
 
 これは、コーネル大学教授のロバート・H・フランク氏が『幸せとお金の経済学』(フォレスト出版)という著書の中で提唱した概念です。

 さまざまな見栄を張るような形でのお金の使い方は幸せが長続きしないが、自分の充実のために使うお金は幸せが永続するという研究成果を発表したのです。
 
 私もその視点には全面同意です。たとえばペットを飼うとき、血統書付きであれば最低でも数十万円以上のお金がかかります。保護猫をもらうと去勢費用やワクチンなどの実費のみになります。

 私と一緒に住んでいるあおちゃん、ちろちゃんは後者です。美しい純血種の猫はインスタ映えもするでしょうが、2匹の猫がくれる喜びは、お金では到底得られないものです。
 
 洋服を買うときにも、人から見て見栄えがする、わかりやすいブランド品が本当に必要かを考えましょう。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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