浦井:自分をミュージカル俳優と意識し始めたのは、「エリザベート」の再演が続く中で、です。04年に出演してから05年、06年……と繰り返し再演していますが、プロデューサーや演出家の方々が企画段階から僕を育てようとしてくださると感じるようになりました。ミュージカル俳優と名乗ることが皆さんに対する恩義に報いることだと思いましたし、自分の肩書に思えることが大変光栄です。

■様々な歌唱法にトライ

──今回のアルバムは、様々な顔を持つ浦井の「Piece=カケラ」を詰め込んだ一枚となっている。

浦井:曲は歌唱法やジャンルも様々です。いろんなトライをさせていただけました。コロナ禍で聴いていただく人に元気になっていただけるようなアルバムにしたかった。前を向いて勇気を出して希望を持って、共に手を繋いで歩いていきたいとのメッセージを込めました。同時に、今自分が歌いたい曲はなんだろうという気持ちも大切にしながら曲を選んでいます。

──ミュージカルの楽曲であればハイトーンにしたり、アレンジを変えたり。随所にこだわった。

浦井:「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」の「THE ORIGIN OF LOVE」は、女王蜂のアヴちゃんやメタルの神様と言われている冠徹弥さんから歌唱の極意を教えていただいて、徹底的にロックを試しています。オリジナル3曲はシティーポップ、K−POP、そしてバラードという各ジャンルをちりばめました。ジャンルは違っても、思うことの大切さや繋がることの意味などのメッセージは共通しています。

──カバー曲は20周年記念ということもあり、当時のヒット曲Kiroroの「Best Friend」とCHEMISTRYの「PIECES OF A DREAM」を選んだ。

浦井:よくカラオケで歌っていました(笑)。軽音楽部ではL’Arc−en−Ciel、LUNA SEA、SOPHIA、X JAPANなどをコピーしていました。今振り返ると、高い音の筋トレをしていたんだなって。Kiroroもその流れです。CHEMISTRYはハモりも全部1人です。めちゃくちゃ疲れましたが、自分としては癖になるな、最高だなって思っています(笑)。

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