「私はやっぱり火星まで行きたい」 宇宙飛行士・山崎直子さんが映画監督と語ったこと (1/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「私はやっぱり火星まで行きたい」 宇宙飛行士・山崎直子さんが映画監督と語ったこと

矢部万紀子AERA
宇宙飛行士の母サラと娘のステラは、会えない中で、互いに壁を乗り越えていく。母親サラをエヴァ・グリーンが演じた (c)Carole BETHUEL (c)DHARAMSALA & DARIUS FILMS

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山崎直子(やまざき・なおこ)/1970年、千葉県生まれ。宇宙飛行士。12年から内閣府宇宙政策委員会委員などを歴任。2児の母

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Alice Winocour/1976年、パリ生まれ。監督作品に「ラスト・ボディガード」(2015年)他。「裸足の季節」(15年)でセザール賞最優秀脚本賞

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 映画「約束の宇宙」が4月16日から全国公開される。宇宙飛行士のシングルマザーと幼い娘との愛と絆を描いた物語だ。アリス・ウィンクール監督と、宇宙飛行士の山崎直子さんが語り合った。AERA 2021年4月19日号に掲載された記事を紹介する。

【写真を見る】宇宙飛行士の山崎直子さん

*  *  *
「約束の宇宙(そら)」の主人公サラ(エヴァ・グリーン)は、シングルマザーの宇宙飛行士。国際宇宙ステーション滞在が突然決まり、旅立ちまで

に残された時間は2カ月。娘を別れた夫に預け訓練へと向かう。アリス・ウィンクール監督には脚本執筆当時8歳の娘がいて、「自分と同じ子どものいる女性宇宙飛行士たちの親子関係に心引かれた」という。エンドロールには母親である各国の宇宙飛行士10人の写真が映り、その一人が山崎直子さん。国際宇宙ステーションに滞在した2010年、長女は7歳だった。

アリス・ウィンクール(以下、ウィンクール):山崎さんのように、自分がしたいことをするために闘い、頑張った女性宇宙飛行士の姿を映画で見せたかったんです。宇宙で何か事件が起き、それを解決するという宇宙映画が多いですが、宇宙飛行士の本当の大変さは地上にある、と。

山崎直子(以下、山崎):本当にそうです。行くまでが長いんです。

ウィンクール:仕事とプライベートの間で引き裂かれるような思いも描きたいと思いました。宇宙飛行士に限らず、仕事を持っている女性なら誰にでもあるものだから。サラの娘ステラには学習障害もあり、別れるのは大変なことですが、何とか乗り越えようとします。だから訓練中、ロシアから娘に電話をし、「うまくいく」「きっと何とかなる」と励ますのです。

■自分を信じること

山崎:「何とかなる」という言葉、私もよく使います。くよくよしてもしょうがないですし、相手を信じて、自分も信じるということにつながる気がして。

ウィンクール:娘との関係も単なる愛情物語でなく、娘が母親から解放されて、自由になっていくステップを描きました。打ち上げの瞬間、皆が泣いていますが、ステラは泣きません。


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