
AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。2021年3月29日号では、「村和」取締役の村山浩三さん、妻で経理担当の早紀さん夫婦について取り上げました。
【写真】ジャイアント馬場と「女帝」と呼ばれた妻が交わした1千通のラブレター
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夫29歳、妻20歳で結婚。長男(14)、長女(11)、次男(5)の5人家族。
【出会いは?】夫が繁忙期を手伝うため、八丈島のスーパーに出張したとき、アルバイトで働いていた妻と出会う。
【結婚までの道のりは?】妻が就職を機に上京したときから結婚を前提に交際を始め、長男の妊娠を機に結婚。
【家事や家計の分担は?】家事と育児は基本的に妻。夫はゴミ捨てとトイレ掃除、次男との入浴を担当。時間があるときは皿洗いもする。家計は一緒。
夫:村山浩三 [44]
村和 取締役
むらやま・こうぞう◆1976年、東京都生まれ。95年、安田学園高校商業科卒業。築地市場の仲卸に就職。96年、テレビ番組の制作会社に勤務。2003年、豊洲市場に店舗を持つ家業の干物卸売会社「村和」を継ぐ
八丈島で妻と出会った瞬間、「この人と結婚する」と直感しました。まるで後光が差しているように見えたんです。
結婚以来、ケンカをした記憶がほとんどないほど、関係は良好です。ただ、2度目のプロポーズをする覚悟で頭を下げたことがあります。7年前、一緒に家業を支えてほしいと頼んだときでした。
妻は勤務先の仕事に情熱を持っていましたし、うちの会社で働くのはまだ早いと感じていたと思います。でも信頼できる経理担当が必要でした。それだけでなく、私が彼女を必要としていたんです。
あの頃、企業に勤める妻と魚市場の私とでは生活時間が違いました。子どもも幼く、妻と顔を合わせる時間が少ないことが寂しかったのです。
一緒に働くようになってからは、しっかり者の妻に公私ともに助けられています。とくにコロナ禍で売り上げが激減している今は、そばにいてくれるだけでありがたいです。共に苦境を乗り越えようとしてくれていることが、なによりの励ましになっています。