国立ベルリン・エジプト博物館のコレクションの中から選りすぐりの約130点の作品を展覧。初公開の作品も多い。江戸東京博物館で4月4日まで。この後、京都、静岡、八王子市に巡回(撮影/山本倫子)
国立ベルリン・エジプト博物館のコレクションの中から選りすぐりの約130点の作品を展覧。初公開の作品も多い。江戸東京博物館で4月4日まで。この後、京都、静岡、八王子市に巡回(撮影/山本倫子)

 古代エジプトの世界をリアルに感じることができる「古代エジプト展 天地創造の神話」。AERA 2021年3月29日号に掲載された記事で、公式チューターであるQuizKnockのこうちゃんに、その魅力を聞いた。

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 現在、江戸東京博物館で開催中の「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」で、公式チューターを務めています。僕はもともと歴史好き。だから、その知識を生かしながら、音声ガイドプログラムでクイズを出題したりもしています。博物館とかって、ハードルが高い感じがすると思いますが、そうやってクイズを楽しみながら、この世界に浸ってみるといろんな魅力に気づいてもらえるんじゃないかと思っています。

「神々」というと、普通は荘厳なイメージを思い浮かべると思いますが、この古代エジプト展の展示を見ると、ちょっと印象が変わるのではないでしょうか。動物や虫など日常生活のなかにあるものをモチーフにした神々が目に留まります。けっこういま僕らの周りにいるような動物もいて、親近感も湧いてきます。当時の人々にとって、神々というのは意外に身近なんだなって感じる人が多いのではないでしょうか。

■イメージ大きく変わる

 構成も第1章「天地創造と神々の世界」、第2章「ファラオと宇宙の秩序」、第3章「死後の審判」というコンセプトで、古代エジプト神話の壮大な生と死のサイクルにアプローチできるようになっているので、古代エジプトのイメージがガラリと変わると思います。

 古代エジプト史は古代オリエント世界を語るには外せません。もちろんそれだけではなくて、あの時代の古代エジプトって、まわりの国々への影響力がものすごくあったにもかかわらず、次第にどんどん衰退していってしまうところも僕は面白いと思っています。歴史の醍醐味を存分に味わえる時代ですね。

 僕が特に興味深かったのは第3章の「死後の審判」ですね。なかでも「死者の書」が大好きだったので、展覧会で目にしたときは感動しました。展示されている死者の書は、プトレマイオス朝初期のもので、高さ37.2センチ、幅419.6センチ、奥行き1.7センチの巨大サイズ。会場の壁一面を使って展示されているのですが、とにかく大きくて長い。こんな壮大なものを作って一緒に埋葬していたんだ! ってワクワクしました(笑)。

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