本当に配信に必要なのはスマホだけだが、いい音で録音できる高性能マイクや、笑声チェック用の鏡、効果音を入れるためのタブレット、喉をうるおす水などがあるといい(撮影/福光恵)
本当に配信に必要なのはスマホだけだが、いい音で録音できる高性能マイクや、笑声チェック用の鏡、効果音を入れるためのタブレット、喉をうるおす水などがあるといい(撮影/福光恵)
この記事の写真をすべて見る
AERA 2021年3月22日号より
AERA 2021年3月22日号より

 話題の音声SNS「Clubhouse」の登場で、活気づく音声メディア業界。 楽しみ方はいろいろだが、やっぱり聞くだけではなく自分で配信もしてみたい。テーマを決めて笑顔で話せば、気分はもうラジオパーソナリティーだ。 「オンライン会話術」を特集したAERA 2021年3月22日号から。

【Clubhouse以外にもこんなにある! パーソナリティーデビューできる音声メディアはこちら】

*  *  *

 昨年5月から音声配信を始め、著書『声のブログをはじめよう 音声配信の教科書』もある綾瀬友希(エージェントゆき)さんは、こう話す。

「文章を書いたり、動画を撮影したりするより、音声の収録は手軽。飾らない自分らしい表現ができる。ようやく自分の場所を見つけたという気持ちです」

 Stand.fmという音声SNSからデビュー。半年ほどで、2016年に創業した音声メディアの大御所「Voicy」のパーソナリティーに上り詰めた。ちなみにここは、パーソナリティーになるための審査が厳しいことで知られる音声界の“東大”みたいなものらしい。

 現在は、20分程度の音声のエッセイを毎日欠かさず配信。リスナーからの反応が楽しく、また本業の通訳では黒衣に徹している反動から、自分の思考を整理してアウトプットする表現の場に「音声配信がぴったりだった」という。ファンが増え、収益が入るチャンネルに承認されたこともやる気を後押し。

「海外のポッドキャスターの中には100万ドル以上稼ぐ方もいて、夢がありますよね。日本でもサブスクや音声広告がはじまっていて、音声配信を収入の柱の一つにする人も増えてくると思います」

 また、ときどきライブチャットで会う常連リスナーにも最近、変化があった。以前は20~40代の若いワーママがメインだったが、現在は50代など、中高年世代のリスナーも増えている。

 ということは、ターゲットは自分と同年代。まあ、ライターの仕事も面倒だし、音声なら、今まで気がつかなかった自分の魅力を、引き出してくれるかも。というわけでゆきさんを師匠に、まだまだブルーなこのオーシャンにいち早くこぎ出すことにした。まず師匠、人気配信者になるコツからおしえてください。

次のページ