「想定よりずっと早くきたコロナ患者受け入れ要請」がん研有明病院・佐野武病院長インタビュー (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「想定よりずっと早くきたコロナ患者受け入れ要請」がん研有明病院・佐野武病院長インタビュー

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佐野武(さの・たけし)/がん研有明病院・病院長。胃がん治療のエキスパート。2018年から現職(写真:がん研有明病院提供)

佐野武(さの・たけし)/がん研有明病院・病院長。胃がん治療のエキスパート。2018年から現職(写真:がん研有明病院提供)

コロナ病室への出入りでは、手袋やシールドマスク、ガウンの着脱場所や手順もルール化されており、ゾーニングが徹底されている(写真:がん研有明病院提供)

コロナ病室への出入りでは、手袋やシールドマスク、ガウンの着脱場所や手順もルール化されており、ゾーニングが徹底されている(写真:がん研有明病院提供)

 がん専門病院においてもコロナ患者受け入れが始まっている。国立がん研究センターは昨年4月から、埼玉県立がんセンターは同12月21日からコロナ患者の受け入れを開始した。さらに、がん研有明病院(東京都江東区)も同12月24日から受け入れを開始。日本トップレベルの民間がん専門病院のコロナ患者の受け入れは大きなニュースとなった。AERA 2021年2月8日号は、受け入れの経緯、がん治療への影響、感染対策などについて佐野武病院長に話を聞いた。

【写真を見る】コロナ病室への出入りでは手順もルール化 ゾーニングが徹底されているがん研有明病院

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 事前に東京都から、福祉保健局が定める三つのレベルのうちレベル3(公表されている感染警戒レベルとは別)に達した場合、コロナ患者を受け入れるように要請されていました。そう簡単にはそのレベルに達しないだろうと思っていたら、12月に一気に達した。準備はしてきましたが、想定よりもずっと早かったですね。

 当院は高度な医療を提供する特定機能病院であり、多くの病院が必死にコロナと闘っている中で、受け入れは責務と考えました。しかし、普段は重症の呼吸器感染症患者を診察しておりませんし、ICUや人工呼吸器の数も大学病院と比べればずっと少ない。そんな当院にまで受け入れが要請されたことは、東京都の医療が極めて逼迫した状況になったことを意味しました。

 コロナ患者を受け入れることによりがん治療がおろそかになったり、縮小したりしてしまうことは是が非でも避けなければならない。そこでこれまでの「がん治療 最後の砦作戦」を維持するために、いくつかの基準を設定しました。

 まず、コロナ患者については外来を開かず、東京都から要請される感染確定患者さんの入院のみを受け入れます。ICUは準備していますが、基本的には軽症・中等症の患者さんのみの受け入れです。1病棟をコロナ専用病棟とし、定員は最大20人。この病棟は個室を含めて42床ありますが、いくつかゾーンを設けたり、4人部屋を1~2人で使用したりするなどの措置をとっているため、この人数が限界です。1病棟を転用するというのが、がん治療に影響を及ぼさないギリギリの状態です。


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