AERA 2021年2月8日号より
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 マスクの飛沫抑制能力とつけ心地のよさは反比例していると言われている。国によっては、公共の場で医療用マスクの着用を求められるという。2021年2月8日号から。

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 新型コロナウイルスによる感染者が急増したドイツは1月19日、公共の場では布マスクを禁じ、医療用のマスクを着用するよう義務付けると発表した。

 米デューク大学などの研究チームが多様な素材のマスクをつけて声を出した際どれぐらい飛沫がマスクの外に出るかを調べた実験では、医療用マスクは飛沫がほとんど排出されなかった。

■素材により効果変わる

 世界保健機関(WHO)は昨年12月に出したマスク着用に関する指針で、新型コロナウイルスが流行している地域では、一般の人は「屋内や公共交通機関などでは布マスクを着用」とする一方、60歳以上や持病があるなどして重症化リスクの高い人は、「他の人と1メートル以上の距離を取れない場合には感染を防ぐために医療用マスクをするべき」だとした。また、感染を疑うような症状がある人や検査結果を待っている人も、他の人にうつさないよう医療用マスクをするべきだとしている。

 医療用マスク以外の性能はどうか。豊橋技術科学大学によるミスト(飛沫)生成装置などを使った実験や理化学研究所などによるスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションでは、マスクをした人から出る飛沫の量は、不織布マスクはマスク無しの場合と比べて20%に減り、布マスクは18~34%に減ったのに対し、ウレタンマスクでは50%までしか減らなかった。他の人の飛沫を吸い込む量は、不織布マスクはマスク無しに比べ30%に減ったが、布マスクは55~65%、ウレタンマスクは60~70%だった。

 フェイスシールドを着用した人から出る飛沫量は、何もつけていない場合と比べて80%、マウスシールドは90%にしか減らず、他の人が排出した小さな飛沫を防ぐ効果は無かった。

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