オンライン取材を受けるバーノー氏
オンライン取材を受けるバーノー氏
「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」は、11月6日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国劇場にて公開
「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」は、11月6日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国劇場にて公開

「オバマ政権下では副大統領だったバイデン氏を間近に見てきた。その人間性も十分に知っているつもりだし、彼の家族もよく知っている。彼はいいリーダーになり得ると思う。大切なことは正直に誠実に、国民に正面を向いて話し続けることだ」

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 そう語るのは、オバマ政権下でソーシャル・セクレタリー(秘書)を務めたイーブス・バーノー氏(40)。アメリカの名門私立ノースウェスタン大学で演劇と政治学を学び、現在は映画監督として活躍する。

「僕の人生は演劇と政治という2本立てのような感じだ。2008年の選挙キャンペーンを手伝ったことで、ホワイトハウスに入ることになったんだ。食事会やイベント、印刷物の発行、プレスへの対応などあらゆる対外的なことをまとめる部署を束ねる仕事をしていたんだ」

 米大統領選の開票が始まり、トランプ大統領とバイデン前副大統領は接戦を繰り広げている。バーノー氏はBLM(Black Lives Matter)運動にも希望を持っていると語る。

「いまこそ何世紀も続いてきたこの問題を隠さず、オープンにして話し合うべきだ。そのためにもバイデン氏にはこのままがんばってもらいたい」

 初監督作品「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」が、大統領選の3日後の11月6日に日本で公開を迎える。20世紀を代表する文豪トルーマン・カポーティ(1924-84)を描いた、ドキュメンタリーだ。

 政治の場から映画界への転身は異色にみえるが、ごく自然なことだったという。

「政治には演劇的な要素がある。政治家も『演じている』んだ。レーガン元大統領だって役者だったしね。そういう意味ではオバマ大統領は非常に優れた役者で、何を求められているかをわかっていた。だからとても仕事がしやすかった。もちろん政治の世界での経験は今回の映画作りに役立っている。監督は『何を伝えたいか』というきちんとしたビジョンを自分の頭の中に描かないといけないんだ。政治もそういう意味では同じだよね」

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早熟の天才