アメリカの自己主張力をはぐくむ教育法 子どもに選ばせる・その選択を否定しない (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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アメリカの自己主張力をはぐくむ教育法 子どもに選ばせる・その選択を否定しない

連載「ここがヘンだよ日本の育児!」

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大井美紗子AERA
4歳児の主張を最大限に肯定してもらったピアノの練習曲(写真/筆者提供)

4歳児の主張を最大限に肯定してもらったピアノの練習曲(写真/筆者提供)

 欧米社会では自己主張が大切だ、とよく言われます。アメリカに暮らしている身としても、しみじみそう感じます。アメリカ人は自己主張が強い。自分が何者か、どんな考えをする人間なのか、お互い開示して理解を深めていくのがこちらのコミュニケーションのスタイルです。ただ、日本で生まれ育った日本人としては「自己主張が大切だと言われましても、主張したい自己がないんですけど」と思うこともあります。

 日本で大切にされているのは、伝統や決まりを守る姿勢、穏便さ、協調性など。だから日本人は比較的、「一般的に正しいとされる考え」や「厄介事を起こさないような方法」、「みんなに当てはまるであろう意見」を察し、そこに個人の意見を寄せて一体化させるのが得意です。でもそれをずっと続けていると、自己と他者の境目が溶けて見えなくなってしまう気がします。

 対してアメリカ人は、給与の額からランチに食べるサンドイッチの中身まで、確固たる自論を持っています。納得いくまで上司に給与額の交渉をし、サンドイッチ屋さんではパンのトースト方法、はさむ具、ドレッシングの種類を事細かにオーダーしている様子を見ると、そこまで労力をかける姿勢、何より万事に渡って自らの意思が存在していることに驚いてしまいます。典型的日本人としては「そんなことまで自分で決め(られ)るの?」という気持ちですが、アメリカ人に言わせると「自分のことなのに自分で決め(られ)ないっておかしいでしょ?」だそうです。

 アメリカ人がここまで自己主張に秀でているのは、教育に秘密がある気がします。たとえば、こんなことがありました。我が家の4歳の娘が通うピアノ教室でのこと。教本に「CDE(ドレミ)の3つのキーを使って、曲を作ってみましょう」という課題があったのですが、娘はなぜか憮然として指を動かそうとしません。聞けば、「CDE(ドレミ)だけじゃなくて、ABCDE(ラシドレミ)の5つを使いたい」と主張するのです。


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