ネット証券などの金融機関では自分の決めた金額で投信を積み立てられる。ふだん使っている銀行を使って毎月自動で買うことも可能だ。

 銀行で投信を買えば、もちろん銀行口座から自動引き落としができる。資金移動に関する手数料も一切かからない。

 毎月積立方式はかなりメジャーだが、最近はネット証券各社が「毎日積立」のサービスをはじめている。

 毎月と毎日。毎日のほうがより分散できるわけだが、どっちがトクになるのだろう。西尾さんに試算をお願いした。

 日本株の指数・日経平均株価と、米国株の指数・S&P500に連動するインデックスファンドに「毎日積立」で投資をした場合と、その資金をまとめて月末に全額投資した場合の、運用成果の差を検証した結果は?

 積立金額は1日当たり100円(つまり1カ月だと約3000円)と仮定すると、3カ月では損益で約3%、金額にして約200円ほど毎日積立のほうが有利だった。

 たかが200円と思うなかれ。これが1カ月約3万円分の積立なら約2000円の差である。

 6カ月、1年と期間が長くなると差は縮まるが、それでもわずかに毎日積立のほうが好成績。あくまで「このファンドの場合」というただし書きはつくが、参考になる。

(取材・文/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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