マスクつけたまま分娩室へ、夫は汗だくで15分だけ面会…コロナ禍での出産を記者が語る (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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マスクつけたまま分娩室へ、夫は汗だくで15分だけ面会…コロナ禍での出産を記者が語る

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記者が「良かったこと」として挙げたのが「夫の在宅勤務」。男性も家事育児に参加しやすい環境が、コロナ禍で進んだことはプラスだ

記者が「良かったこと」として挙げたのが「夫の在宅勤務」。男性も家事育児に参加しやすい環境が、コロナ禍で進んだことはプラスだ

 AERA dot.編集部の記者が、コロナ禍のなか7月中旬に第2子を出産した。35歳で経験した、第1子のときとは様相が異なる出産。どんな不安があったのか、AERA 2020年8月24日号で話を聞いた。

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 初めて新型コロナウイルスを自分事として感じたのは2月25日。職場が近い電通で感染者が出たというニュースをネットで見たときだった。その前日には電通が入るビルでランチを食べたばかり。「外出はリスクなんだ」と身震いした。

 妊娠中に感染したら飲める薬は限られるし、おなかの赤ちゃんにどんな影響があるかもわかっていない。通勤電車では換気のいいドア近くに立ち、つり革や手すりには触れなくなった。乗車中に両足を開いて、転ばないように力を入れながら、「妊婦なのにこんなに踏ん張って大丈夫なの!?」と、これまた不安になった。

 当時は会社に在宅勤務の制度はなく、3月の妊婦健診で出勤の不安について相談すると、主治医は「健康状態に異常はないけど、母健連絡カードに『配慮が必要』とは書けますよ」と言ってくれた。でも会社に特別扱いを求めるようで気が進まない。そんな中、3月26日に会社から全社員の在宅勤務を認める通知が出された。上司から勧められ、翌日から在宅勤務を始めた。

 4月13日。4歳の長男が通う認可保育園が臨時休園になった。在宅勤務の夫と交代で面倒を見るが、日中は仕事に集中できず、子どもが寝た夜や早朝に残った仕事をするのは身重の体には負担が大きい。悩んだ結果、産前休暇に有給休暇をつけて5月の大型連休明けから休みに入ることにした。感染が拡大する緊急事態に仕事を投げ出すのは記者としてどうなのかと散々悩んだ。感染リスクにおびえながら現場で働き続ける妊婦の実態も発信したかった。でも今は、生まれてくる赤ちゃんや家族の健康を優先しようと決めた。

 その後も悩むことは多かった。妊娠中はむし歯になりやすく、歯周病は早産のリスクもあるため、区内の歯科医院で妊婦歯科検診を無料で受けられるが、コロナ禍で行っていいものかと悩んだ。保育園が再開した後は、登園自粛を続けるべきかも悩みの種だった。感染のリスクを少しでも下げるために登園を控えたが、臨月が近づくと自分の体がしんどくなって長男の遊び相手ができなくなり、週に数回保育園に通わせることにした。長男の出産のときと比べると早めに産休入りし、体は楽だったはずなのに、次々に湧き上がる答えのない問いと向き合うことが精神的にこたえた。横になっている時間も長かった。


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