「代表では5月以降、週1でZoomを使ったウェブミーティングをしているのですが、全体ミーティングだけでなく小グループに分けることで、若い選手もよく発言するなど、いいコミュニケーションが取れるようになったと感じています。普段は集まってミーティングするので参加者が多く、若手にとっては発言しづらい部分もあったのでしょう。そこはチームにとってプラスになったと思います」
とはいえ、チーム内で東京五輪の開催について話題になることはない。
「そこに関しては、みんな避けているというか……」
危惧はある。ただ、選手としてはトレーニングに集中するしかない。
「ずっと華やかな五輪を想像してきただけに、簡素化という表現も出てきて、どうなるんだろうっていう思いはあります。いい結果を残しても、参加できない国があれば、少しアンフェア感が残ってしまいますし。逆にコロナを乗り越えての五輪となれば、いままでと違った形で人々の記憶に残るかもしれない。良い方に捉えて、モチベーションにできればと思っています」
(スポーツライター・栗原正夫)
※AERA 2020年6月29日号