だから私の感覚では、卒業というより、人間1年目なんです。メンバー、スタッフさん、ファンのみなさん、いつも大勢の人と接してきましたけど、それはアイドルとして。そうじゃなく、これからは人間として人と向き合う時間を増やしたい。それをお芝居に生かしていきたいなと思っています。これまでは等身大の役が多かったので、サイコパスとか全く正反対の、振り切れた役もやってみたいです。

――恋愛も解禁ですか?

 もちろん。結婚願望もありますよ。でも今は仕事に熱中しすぎてタイミングがなさそうだなと思います。不器用なので同時に二つのことができないんです。だからこの11年間、恋愛する暇なんて1秒もなかった。なんでも器用にできるようになりたいです。

 基本、生き急いでるので。「まったり休んでる余裕はないだろ、もっとレベル上げなきゃ」と。仕事7:プライベート3くらいが理想なんですけど、無理やり休むようにしないと、プライベートな時間もボイストレーニングとかピラティスとか、仕事につながるレッスンを入れちゃう。完全なオフにならないんです。

「焦り過ぎだよ」って、よく言われます。でも、今の私にはぜんぜん何もないので、それくらいの努力をしないと一線で活躍されている方たちにいつまでも追いつけない。1分1秒がもったいない、という生き方はこれからも変わらないと思います。

 (構成 編集部・竹下郁子)

※AERA2017年12月25日号掲載
※登場人物、筆者の肩書は当時のまま