卒業コンサートで笑顔を見せる渡辺麻友さん (c)朝日新聞社
卒業コンサートで笑顔を見せる渡辺麻友さん (c)朝日新聞社

 元AKB48の渡辺麻友さん(26)が芸能界を引退したことがわかった。所属していた尾木プロダクションの発表によると、「健康上の理由で芸能活動を続けていくことが難しい」と本人から申し出があったという。

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「まゆゆ」の愛称でも親しまれた渡辺さんは、2007年のデビュー以来、正統派アイドルとしてグループをけん引。生みの親である秋元康氏に「アイドルになるために生まれた子」とまで言わせるなど、個性的なメンバーの中でも絶対的な存在感を放っていた。

 アエラでは2017年12月25日号でグループ卒業を控えた渡辺さんにインタビューを実施。卒業後、芝居と歌に力を入れるために必要なのは、「まずは豊富な人生経験でしょうか。AKB48にいたので、人間らしい生き方をしてきていないんです」と語り、「卒業というより人間1年目」と独特の表現で自身の卒業について吐露した。ここでは当時のインタビューを再掲する。

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――卒業はいつ頃から考えていたんですか?

 ここ2年くらいずっと考えていました。考えに考えて今年3月、自分で自分のおしりをたたくような感じで決断して、「今年いっぱいで卒業させていただきたいです」と、秋元(康・総合プロデューサー)さんにLINEでメッセージを送りました。秋元さんも「はい、分かりました」という感じで。

 とくに誰にも相談していません。あんまり人に相談することが得意じゃなくて……。メンバーでは唯一、ゆきりん(柏木由紀)には事前に話してたんですけど、それも自分で決めた後の報告でした。家族にもさらっと言いました。向こうも「まぁ、本人が決めたことなら」というくらいの反応で。

 12歳でAKB48に入って、人生の半分を過ごしてきました。AKB48でやり残したことはありません。総選挙でもう一度、1位に? もう大丈夫です(笑)。今年も本当は出るつもりはなかったですし、未練はありません。

――型破りなアイドル像が求められる風潮の中、「アイドルサイボーグ」と言われるほどの王道を歩み続けました。

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