三つのRとは、Rest(レスト=休息)、Recreation(レクリエーション)、Relax(リラックス)を指す。

 Restでは、体を休ませる、睡眠をとるのはもちろん、読書をする、ゆっくりお茶を飲む、甘いものを食べるなども有効だ。

 Recreationは、多種多様ななかから自分に合ったものを選ぶといい。料理、ヨガ、散歩、ゲーム、創作活動(絵、文章、DIY、手芸)、趣味の活動、筋トレなどが挙げられる。

 Relaxには呼吸法、音楽鑑賞、ストレッチ、アロマセラピー、マッサージなどが当てはまる。SNSや電話を使って、家族や友人とのおしゃべりを楽しむことも大切だ。

 だが、他意のないつもりの会話でも、現状では「配慮が足りない」「行動を疑われたかも」と思わぬ軋轢(あつれき)が生じることも考えられる。ギスギスしないコミュニケーションのために、「アサーティブ」な表現を心がけることも効果的だという。

 アサーティブコミュニケーションとは、相手に配慮しつつ自分の気持ちを率直に表現すること。例えば、神経質になりすぎている家族に「そんなに消毒してたらこっちがおかしくなる!」といら立つとき、ひと呼吸おいて「この状況だから完璧に消毒したいのね、でもやりすぎるとつらくなるよ」と言い換えてみることだ。スーパーの会計時、列に割り込まれたと思ったら、「列に並んで!」と直接的に要求するのではなく、「気づかなかったかもしれませんが、間隔を空けて並んでいるので、後ろに並んでいただけますか?」と言い換えるといい。

「相手への攻撃的な気持ちが自分の不安や恐怖から来ているのではないか?と、まずは自問してみましょう。相手の気持ちを想像してそれを表現しつつ、自分の気持ちも伝えると、お互い気持ちのよいコミュニケーションになります」(齋藤さん)

日本赤十字社の災害医療統括監・丸山嘉一医師は、「病気そのもの」「不安や恐れ」、そして「差別」の負のスパイラルを断ち切ることが重要だという。差別を受けるのを恐れて受診や検査をためらうようになると、結果的にさらに病気を拡散することにつながる。

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