堀込泰行の「GOOD VIBRATIONS 2」が醸し出すポップな密室感

岡村詩野の音楽日和

2020/05/19 16:00

 それ以上に今作で実感するのは、ソングライターとしての成熟と柔軟性。と同時に、絶対に譲れない自分だけの音楽指向とムードをしっかりと持った上でディレクションするプロデュース能力だ。

 「GOOD VIBRATIONS 2」では、tofubeats、D.A.N.、WONK、シャムキャッツ、ロロロ(クチロロ)と組んだ前シリーズ「GOOD VIBRATIONS」以上にユニークな5アーティストと組んでいる。ざっと紹介すると、「Sunday in the park」でコラボレートしているのはトラックメーカーのSTUTS。STUTSは、星野源やクリープハイプからPUNPEEや鎮座DOPENESSといったラッパーまで数多くのアーティストと共演してきた。「強く優しく」で組んでいるのは、河原太朗によるソロ・プロジェクトのTENDRE。河原太朗は、ampelでの活動を経て現在はsumika、Yogee New Waves、ミツメなど数々のバンドやアーティストのサポートやプロデュースもつとめる。「蟻と惑星」では、韓国出身で現在は東京を拠点に活動する女性アーティストのmachìna(マキナ)と共演。キリンジ時代の代表曲である「スウィートソウル(Lovers Version)」をプロデュース、共に演奏しているのはダブ系バンドのLITTLE TEMPO。そして、「サンシャインガール」でしっかりタッグを組んだのがSKIRTの澤部渡――といった具合だ。

 共通するのは前シリーズ「GOOD VIBRATIONS」以上のグルーヴ感だろう。全ての曲をメインでソングライティングしたのは堀込自身。「スウィートソウル」のオリジナルを知っている人には、ゆるやかなダブ/レゲエのアレンジに仕上がったLITTLE TEMPOとの今回のニュー・ヴァージョンが、いかに堀込泰行のボーカルと相性が良いかに気づかされると思う。実際、どの曲においても、心地よくシルキーな堀込の声に、演奏やトラックによる音のうねりが与えられている。ブラック・ミュージック調の音のうねりが彼の表情豊かな歌い手としての声にフィットするのだ。そして、それを一番よくわかっているのが他ならぬ堀込自身だ、ということが本作からも伝わってくる。

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