修学旅行はなぜ安くできないのか? 交通・宿泊費を下げられない経営側の事情とは (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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修学旅行はなぜ安くできないのか? 交通・宿泊費を下げられない経営側の事情とは

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小田健司AERA
京都・清水寺を訪れる修学旅行生 (c)朝日新聞社

京都・清水寺を訪れる修学旅行生 (c)朝日新聞社

 昨年11月、アエラは修学旅行高額化に関する記事を掲載した。高校生の海外旅行の場合、1人あたりの平均額は公立が約14万円、私立で約25万円(2017年度)と報じ反響を呼んだ。AERA2020年2月24日号から。

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 経済的な事情で参加できない生徒も少なからずいる。修学旅行の価格を下げることはできないのか。

 日本修学旅行協会(東京)の「教育旅行年報」によれば、修学旅行の費用の内訳で最も比重が大きいのが交通費だ。東北を中心に東日本で営業経験が長い旅行会社の元社員は、「航空券については価格を下げる余地がありそうですが、どうなんでしょうか」と疑問視する。

 飛行機の場合、修学旅行は航空各社が定める割引運賃が適用され、国土交通省航空局へ届け出る。割引の率については「決められたものではなく、各社がそれぞれ決める」(国交省担当者)。例えば、全日本空輸なら30~60%(21年度)、日本航空なら7~72%(21年度上期)と幅がある。およそ2年後まで運賃を決めているというが、ケースによっては個人旅行でセールの航空券を購入した方が安上がりなことは起こりうる。

 価格設定の方法については、「他社や他交通機関の運賃動向、修学旅行の動向や過去の航空機利用実績などを鑑み、総合的に判断」(全日空)、「一般のお客様への売り出し前に各支店からの要望に基づき、一括に調整している」(日航)などと説明した。安く上げるなら、旅行の目的に合わせつつも、集中する行き先や季節、曜日、時間帯をできるだけ避けるほうがよさそうだ。

 交通費の次に大きな比重を占めるのは宿泊費だ。取材に応じた京都の大規模旅館は、修学旅行を収入の柱としているという。

「割引はそのまま経営にとって打撃になるので、今の態勢で旅館を経営する以上はおいそれと割引できません。何百人もの大人数で4泊とか5泊とかするなら話は別ですが……」(担当者)

 最近では旅館ではなく、ホテルの利用も一定数ある。全国に展開するアパグループも、一部の大型ホテルで小中高の修学旅行を受け入れており、19年は2施設で計15校、2180人を受け入れた。


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