また、転職情報サイトにおける関係者の書き込みもヒントになることがある。実は未来設計に関しても、破綻に至るかなり以前から超ワンマン経営への批判や、本社所属の従業員さえどんどん辞めていく状況を吐露する声が散見された。

 介護業界で転職を考えている人のみならず、施設への入居を検討している人やその家族も、「事業者名 評判」といったキーワード検索で従業員の本音をチェックしてみるといいだろう。書き込みのすべてが真実とは言いがたい。だが、「火のない所に煙は立たない」のも確かである。高山さんによれば「経営が悪化している事業者はミーティングなどを避けたがる。職員の不満がいっそう鬱積しやすい」ので、ネット上での書き込みにもつながりやすいはずだ。

 いつの間にか倒産、という事態に巻き込まれないよう、念には念を入れて調べておこう。(ライター・大西洋平)

AERA 2020年2月17日号より抜粋

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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