低気圧と台風21号による豪雨で被災したのは家だけではない。一家に1台ではなく、1人1台が当たり前の地域では車の水没が即、日常生活に影響を及ぼす=10月26日、福島県相馬市日下石 (c)朝日新聞社
低気圧と台風21号による豪雨で被災したのは家だけではない。一家に1台ではなく、1人1台が当たり前の地域では車の水没が即、日常生活に影響を及ぼす=10月26日、福島県相馬市日下石 (c)朝日新聞社

 大切なマイカーが水災・風災被害にあったとき、補償範囲や保険金の支払いが気になるところ。Q&A形式でプロに解説してもらった。AERA 2019年11月18日号に掲載された記事を紹介する。

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Q1:車はどうする
マイカーを風水害から守りたいなら?

 車に関しては火災保険ではなく「自動車保険の車両保険(補償)」のテリトリーになる。マイカーを持っている人なら自動車保険の対人補償・対物補償には加入している場合が大半だが、車両に関しては「うちは軽自動車だし、少しくらい傷がついても気にしないし」などと、つけずにいる人も。

「車両保険に入るときは、水災・風災による被害も補償の対象になっているタイプを選びましょう。豪雨による浸水や台風被害はもちろん、洪水、高潮による水害も補償されます」(損害保険ジャパン日本興亜/保険金サービス企画部の北野貴嗣さん)

 地震による車の修理にも備えたい場合は、地震の特約をつけることになる。補償を厚くするほど保険料が上がるのは火災保険と同様だ。車両保険に関しては、自分の生活で車がどれくらい必需品になっているかで加入を決めるといいだろう。

Q2:車両保険で守られる例
水災による車の被害が補償されるのは?

 火災保険の水災補償、風災補償での建物・家財への補償例と車両保険での車体への補償例は基本的に同じだ。

「暴風により近所の看板や屋根瓦が飛んできて、車のガラスにヒビが入った」「強風で車が横転」「木が倒れて車体に傷がついた」「駐車場が地盤の低いところにあり、水没」「豪雨による土砂崩れに車が巻き込まれた」などは問題なく修理費用に関する保険金が下りる。

 車ならではの事例としては、「強風や豪雨により道路が冠水し、車が立ち往生。エンジン本体に水が入って車が停止した」「ドライブ中に雨が強くなり、命の危険を感じたので山の麓に車を止めたまま運転者は避難。その後、車だけ土砂に埋まった」など。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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