Q3:車両保険で下りるお金


車が被災したら保険金はどのくらい?

 たとえば車両保険の保険金額200万円、免責金額(自己負担金のようなもの)10万円で加入していて被災。修理費が250万円かかったら?

「全損扱いになります。当社の場合、保険金200万円+全損時諸費用保険金(各社で名称は異なる)20万円のお支払いとなります。車両全損修理時特約をつけていれば、修理費用がかさんで車両保険金額を上回っても、協定保険価額+50万円を上限にお支払いします」(同)

Q4:保険金をもらった後
車両保険を適用すると翌年以降の保険料は?

「こんな小さな傷で自動車保険を使うと翌年の保険料が上がっちゃうから、自費で直そう」と保険をなかなか使わない人は多い。車両保険で水災の保険金をもらったら翌年以降は?

「ノンフリート等級(事故歴によって保険料の割引や割り増しをする)制度により翌年は1等級ダウンします」(同)

Q5:災害と残債
ローンが残った家や車が水没したらどうなる?

 まだ借金が残っているのに住めなくなった家、乗れなくなった車……自然災害のたびに、こうしたケースで新たに借金をしながら生活を立て直す“二重ローン問題”が取り沙汰される。特に住宅ローンは金額が大きいだけに重いが、東日本大震災の後、ガイドラインが整った。

 全国銀行協会の「自然災害債務整理ガイドライン」に基づき、特別な債務整理ができる。通常、住宅ローンは自己破産しない限り“ナシ”にならず、手元には99万円以下しかお金を残せないが、この債務整理なら住宅ローンをナシにした上、最大500万円を手元に残せる。しかも債務整理が個人の信用情報に残らない。(経済ジャーナリスト・伊藤忍、編集部・中島晶子)

AERA 2019年11月18日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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