「地中海食が健康によいことは、科学的に証明されています。日本人にとっても、実践は難しいことではありません。常食している魚、野菜、豆を基本に、使う油をオリーブオイルに変え、白米を玄米にし、塩分を減らして、果物やナッツ類を加えれば、十分理想的な食事になります」

 そんなにシンプルでいいの?

「健康によいとされる食べ物は、そう変わりません。魚、野菜、玄米は今後10~20年経っても評価がそう変わることはないでしょう。逆に、スーパーフードのような最近注目された食品はエビデンスが脆弱で、10年後には評価が覆る可能性もある。卵のように研究結果が日々更新され、結論が二転三転するため注意が必要な食品もあります」

 長年かけて評価が確立された食べ物を基本に、エビデンスの高い食品を組み合わせて取れば、最強の食事になりそうだ。

「たとえば、大豆はたんぱく源として非常に優秀で、食物繊維も豊富に含まれています。血圧を下げ、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあるため、心筋梗塞や脳梗塞の予防になります。研究途中ですが、大腸がんや前立腺がんのリスクを下げる可能性もあります」

(ライター・柿崎明子)

AERA 2019年9月23日号