いつ、どこで起きるかわからない水害に備え、防災アプリを活用する動きも出てきた。自治体が住民向けに運営するものなどさまざまだが、基本的にはどれも無料だ(下記参照)。

 災害時は、家族と一緒にいられないことも多い。先の片田さんは、大切なのは家族との連携だとしてこう話した。

「災害が起きた時に家族がどのような行動をとっておくか、事前に話しあい、その上で当事者意識をもって行動することが重要。災害と向き合っているのは、自分であり家族だということを忘れないでほしい」

●水害に役立つ防災アプリ

・重ねるハザードマップ
国土交通省が公開するポータルサイト。その地点の「洪水」「津波」「土砂災害」「アンダーパス」の被災想定区域を地図上に重ねて、簡単に表示できる。スマホでも見られ、無料

・ハザードチェッカー
GPSを利用し、「今ここ危険?」ボタンをクリックしたり、住所やランドマークを入力して「今そこ危険?」ボタンに触れるだけで、その地点の津波や高潮、洪水の想定浸水高や土砂災害の危険性を見られる。「減災カルテ・処方箋」も新たに追加。パソコンとスマホにも対応。無料

NHKニュース・防災
NHKが提供するアプリ。最新ニュースに加え、天気予報、台風や津波、地震などの災害情報をまとめてチェックできる。各自治体が出す避難に関する情報やNHKの各放送局が取材したライフライン情報なども掲載。無料

・Yahoo!防災速報
ヤフーが運営する防災用アプリ。設定した地域や現在地の緊急地震速報、国民保護情報(Jアラート)、豪雨予報、津波予報などの防災に関する速報を通知する。無料

・東京都防災アプリ
東京都が配信する防災アプリ。都内各地の地域危険度や一時滞在施設の場所を調べることができるほか、災害時のシミュレーションや日頃備えておくべきものの情報など、東京都民以外の人にも役立つ情報が多い。無料

(編集部・野村昌二)

AERA 2019年9月16日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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