日本男子バスケ「八村包囲網」どう突破? W杯3連敗から見えた課題 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本男子バスケ「八村包囲網」どう突破? W杯3連敗から見えた課題

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島沢優子AERA
米国戦でディフェンスに囲まれながらゴールに迫る八村塁。東京五輪でも徹底マークされることが予想される=9月5日、中国・上海 (c)朝日新聞社

米国戦でディフェンスに囲まれながらゴールに迫る八村塁。東京五輪でも徹底マークされることが予想される=9月5日、中国・上海 (c)朝日新聞社

 二つめの課題は守備。今大会の目標を「日本が勝ったことのない欧州勢に1勝」と定めたフリオ・ラマスヘッドコーチ(55)は、チェコ戦で76対89と2敗目を喫した際、「W杯で1勝するには、89点の失点は多すぎる」と一番にディフェンス力を課題に挙げた。米国には45対98、トルコにも67対86で負けている。

 機を見てのゾーンディフェンスや、守備力のある選手を相手エースに張り付かせるなど作戦面の工夫は見られたが、失点しそうなときのダブルチームなど基礎的な部分に改善の余地がある。スピーディーで展開が速い今のバスケは、10人以上の同質な戦力が必要だ。守備面でのチーム全体の底上げが望まれる。

 一方、3連敗のなかにも収穫はあった。八村が4点に抑えられた米国戦で、18点を挙げたアルバルク東京の馬場雄大(23)の活躍だ。ディフェンスリバウンドから相手の守備が整う前に、弾丸スピードで果敢にドリブルでアタック。2連続で速攻を決めた際は、世界最強の米国にタイムアウトを取らせた。最終クォーターを14対14と互角に戦った攻撃の核になった馬場の姿は、スピードアタックという日本のひとつの方向性を示した。

 また、八村はトルコとの初戦2日前に発熱し万全の体調ではなかった。このような世界舞台へ臨むコンディショニングや準備は、ユース年代のW杯とは別次元のものであり、経験しなければわからない。準備を含め“世界基準”を知ることができた収穫の大きさは計り知れない。

 比較はできないかもしれないが、サッカーもJリーグ発足から5年後に初出場したW杯フランス大会は3戦全敗。次の日韓大会で予選リーグを突破した。バスケット日本代表にはあと1年しかないが、今回のW杯で進むべき道は明白になった。完敗した米国戦後の渡邊雄太(24)の言葉がそれを象徴する。

「アタックすればチャンスは出てくる。逃げてはいけない」

(ライター・島沢優子)

AERA 2019年9月16日号


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