なぜ早稲田大生の就職先「ニトリ」が人気? 学生と企業の意外な“接点” (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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なぜ早稲田大生の就職先「ニトリ」が人気? 学生と企業の意外な“接点”

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福井しほAERA#就活
各大学からの採用者数一覧。早稲田大からニトリへ就職した学生も多い(AERA2019年8月5日号掲載)

各大学からの採用者数一覧。早稲田大からニトリへ就職した学生も多い(AERA2019年8月5日号掲載)

早稲田大で行われたプルデンシャル生命保険の寄附講座。前のめりになって聞く学生もいれば、講師の話をパソコンで検索して、深掘りする学生も(撮影/写真部・片山菜緒子)

早稲田大で行われたプルデンシャル生命保険の寄附講座。前のめりになって聞く学生もいれば、講師の話をパソコンで検索して、深掘りする学生も(撮影/写真部・片山菜緒子)

 来春卒業する大学生の内定率が過去最高を記録した。売り手市場は続く中で、企業のしたたかさと、大学の思惑が混在する。企業を選べる時代に「選ばれる大学」になるには、理由がある。

【ランキング表】人気企業の採用者数が一番多い大学はここだ!(全6枚)

*  *  *
 学生と企業の“接点”に変化が起きている。

「PMA! KISS!」

 木曜日の午後。早稲田大学商学部で行われた営業学の講義で、画面に次々と短い英文が映し出される。PMAはPositive Mental Attitudeの略で、KISSはKeep It Simple&Smileのこと。学生とコミュニケーションを図りながら講義はテンポよく進む。だが、リードするのは大学教授ではない。外資系生保プルデンシャル生命保険で営業職として活躍し、現在グループ会社で副社長を務める永田元久副社長だ。

 早稲田大では大学とプルデンシャル生命保険が提携した「寄附講座」が行われ、週替わりで次々と企業の“大物”が登壇する。企業が大学に寄附金を渡し、講座を持つことで、学生に自社の活動を知ってもらうこともできる。学生も業界の最前線に立つ人から直接話を聞くことができる。加えて大学の財政も潤う。いわば“トリプルウィン”の関係だ。

 受講していた岩城直人さん(商・4年)は、これまで三つの寄附講座を受けてきた。

「プルデンシャルといえば、営業で有名な会社。すでに卒業単位は取得しましたが、将来に役立つと思って受講しました」

 こうした民間企業による寄附講座が採用数を左右するケースも増えている。

 家具メーカーのニトリは10年の秋学期に早稲田大で寄附講座を開講。すると、まもなく就職者数に影響が出はじめた。大学通信の調査によると、11年3月にニトリへの就職が決まっていた学生の数は、東大2人、京大5人、慶應大6人と一桁が並ぶなか、早稲田大だけは23人と突出。ニトリ本社の近く、北海道大の21人よりも多い。当時、講座のコーディネーターをしていた、同大常任理事の恩藏(おんぞう)直人教授は言う。

「当時のニトリは今ほど知名度もなく、以前は早稲田から就職する人は少なかった。ところが、講座が終了すると『(採用者数は)早稲田が今、一番です』と似鳥昭雄社長(当時)に言われました。会社自体が成長したこともありますが、寄附講座の影響もあると感じています」

 売り手市場のなか、企業が大学を選び、入り込んでいるのだ。

 ほかには、こんな例も。


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