図版=AERA 2019年5月27日号より(イラスト:土井ラブ平)
図版=AERA 2019年5月27日号より(イラスト:土井ラブ平)

「所有から利用へ」をうたう定額制サービス「サブスク」が流行している。昭和世代に馴染みのないこのサービスを、物欲に忠実に生きてきたライターが試してみた。

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 物欲世代には親しみにくいのが、モノのサブスクだ。タレントさんにも、スタイリストが借りてきた服をいちいち「買い取り」してしまう借り下手な人がいるようだが、自分の場合、つい買い取りたくなるのが、家電などの広報機。いいモノなら、使うより、まず持ちたいサガなのだ。

 そこで今回、初めてモノ絡みのサブスクサービスを体験した。例えば「メチャカリ」なる服のレンタルアプリだ。システムはこんな感じ。月額5800円からの定額で、1度に借りておけるアイテムは3点までで何回でも借り放題。1回380円の返却手数料は必要だが、返しては借り、返しては借りをすれば、何回でもレンタルが可能となっている。

 ちなみに運営は「アース ミュージック&エコロジー」などのブランドで知られる「ストライプインターナショナル」。若者向けのイメージがあったが、アプリを入れて探してみると、オフィス向けなど(たぶんだけど)50代でもいけそうな服がけっこう。会員登録の生年月日に1960年代生まれの項目もちゃんとあるし、いいサービスだと思う。

 今回はブラウスとワイドパンツ、それから収納場所を取りそうなので買ったことのない、ロングカーディガンをレンタルすることにした。2~3日でアイテムが届いてびっくり。なんと貸し出される服は全部新品で、自分が大好きなタグまで付いている。せっかくなので、普段絶対買わないような服を選んだつもりだが、あちこちに着て行くと意外に好評。だんだん返すのが惜しくなってきた。

 そんな物欲世代のために、レンタルした服をそのまま「買い取り」できる仕組みも用意。60日間借りっぱなしにすると無料でアイテムがもらえる特典もあるが、そんなに待っていられない。結局、割引価格の合計約1万円で、3点全部をお買い上げしてしまった。あーあ。

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