相続などの実家のトラブルは、どの家庭でも起こりうる。きょうだい間だけでなく、血縁関係のない親戚も間に入ってきて揉めることもある。実家を巡るトラブルを避けるにはどうすればいいか。プロの解決策を詳しく紹介する。
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トラブル回避の第一歩は「実家の片づけ」──。一般社団法人「実家片づけ整理協会」代表理事で、「実家の片づけ~親が元気なうちにしておくこと」(マガジンハウスムック)を監修した渡部亜矢さんは強調する。
「実家の片づけをすることで、親の気持ちが前向きになり健康寿命も延ばすことになります。それがひいては、やがて訪れる相続や介護についても意識することにつながります」
とはいえ、たまにしか帰って来ない我が子から「片づけよう」と言われても親は気分を害するだけ。渡部さんは、実家の片づけを切り出す最良の方法は、防災を理由にアプローチすることだとアドバイスする。
「近年は地震や台風、豪雨など甚大な自然災害が多く、『防災』を口実にすれば親も自分の問題として捉えてくれハードルも低くなります」(渡部さん)
相続は約40年ぶりに民法が大改正され、2019年1月から順次施行される。このことを親に伝えても、親は耳を貸すだろう。
ただし片づけは、親が元気なうちに行うことが重要。親が認知症などになり判断能力が低下すると本人の資産は「凍結」され、その後、定期預金を解約できなくなったり、不動産を売却できなくなったりすることがある。
「親は年をとっても自分はまだ若いと思いがち。親が60歳を過ぎたり、冷蔵庫に賞味期限切れのものが入ったままだったりしたら、実家の片づけを決心するときです」(同)
「不動産」「生前整理」「相続」「介護」「葬儀・お墓」の五つに分けた。それぞれ、話し合いやすいと思われる順に並べた。「相続」では、まず財産の棚卸しをしようなど、それぞれの話し合いポイントも表にまとめた。
せっかくの正月休みだし、気持ちよく話し合いたい。心構えとしてやってはいけないこともある。それが「NG6カ条」だ。