「社会で生きるための武器を見つけてほしいんです」
従来は、不登校の中学生が通えるのはフリースクールや教育支援センターなど「居場所」や「学校への復帰支援」を目的とする場しかなかった。それに対しN中が目指すのは、「居場所」+「実践的なスキルを学べる場」だ。前出の母親は期待する。
「息子は人工知能にも興味があるので合っているのでは」
一方、文字の読み書きなど「学習障害」を抱える小学6年生男児の父親(49)は、N中はiPadを使い自分のペースで学べると知り入学を考えたが、小5程度の学力が必要と言われ、あきらめた。
「残念ながら息子はそのレベルに達していない。学習障害の子の選択肢は極めて限られているのが現状」(父親)
N中側もこう話す。
「切実な声と受け止めている。ただ初年度なので、どれだけ個別対応ができるかという問題もあり、今後の課題だ」
不登校といっても事情はさまざま。N中だけでなく、多くの選択肢が求められている。(編集部・石臥薫子)
※AERA 2018年12月10日号