信友直子監督 広島・呉に暮らす認知症の両親を撮り続けた1200日の記録 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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信友直子監督 広島・呉に暮らす認知症の両親を撮り続けた1200日の記録

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中村千晶AERA
信友直子(のぶとも・なおこ)/1961年、広島県生まれ。東京大学卒業後、フジテレビ「NONFIX」など映像制作に携わる。2009年、自らの乳がん体験をドキュメンタリーにした(撮影/慎芝賢)

信友直子(のぶとも・なおこ)/1961年、広島県生まれ。東京大学卒業後、フジテレビ「NONFIX」など映像制作に携わる。2009年、自らの乳がん体験をドキュメンタリーにした(撮影/慎芝賢)

「ぼけますから、よろしくお願いします。」/広島県呉市に暮らす高齢の両親を、離れて暮らす娘である監督が追った1200日の記録。11月3日(土)から公開 (c)「ぼけますから、よろしくお願いします。」製作・配給委員会

「ぼけますから、よろしくお願いします。」/広島県呉市に暮らす高齢の両親を、離れて暮らす娘である監督が追った1200日の記録。11月3日(土)から公開 (c)「ぼけますから、よろしくお願いします。」製作・配給委員会

「わすれな草」/発売元:ノーム、販売元:紀伊國屋書店、価格3800円+税/DVD発売中 (c)Lichtblick Media GmbH 2012

「わすれな草」/発売元:ノーム、販売元:紀伊國屋書店、価格3800円+税/DVD発売中 (c)Lichtblick Media GmbH 2012

「認知症になったからといって落ち込むことはないと思うんです。母はうつっぽくなったり泣き出すこともあるけれど、ギュッと抱きしめると笑ってくれるし、父が作ったうどんをおいしそうに食べる。そうやって日々は続いていく。なくなったものを嘆くより、いまあることを噛みしめる。それでいいと思うんです」

◎「ぼけますから、よろしくお願いします。」
広島県呉市に暮らす高齢の両親を、離れて暮らす娘である監督が追った1200日の記録。11月3日(土)から公開。

■もう1本 おすすめDVD「わすれな草」
 老いや介護は万国共通のテーマ。こちらはドイツ発、71歳で認知症を発症した母と、母を介護する父を30代の息子が撮ったドキュメンタリーだ。

 かつてテレビ司会者や政治活動家として生き生きとしていた母グレーテルが、2005年から記憶障害を起こしはじめる。数学者である父マルテは長年一人で妻を介護してきたが、ついに息子にSOSを出し、それを機に息子は両親の姿を撮りはじめる。

 美しかった母が信じられないスピードで老いていく。その姿は切なく、きれいごとではない介護も胸に突き刺さる。

 それでも息子のカメラがとらえるのは悲愴感ではなく、意外なほどにピュアな両親の愛のかたちだ。子どものような母に優しく接する父。自分のことを忘れて息子を「夫よ」と言う妻に父が嫉妬するシーンなど、思わず噴き出してしまう。お互いがお互いを必要とする様も、常にユーモアを忘れない様も、「ぼけますから~」に通じて興味深い。それに両作ともお父さんが、めちゃくちゃカッコイイのだ!

◎「わすれな草」
発売元:ノーム
販売元:紀伊國屋書店
価格3800円+税/DVD発売中

(ライター・中村千晶)

AERA 2018年10月22日号


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