清水ミチコさん(しみず・みちこ)/岐阜県高山市出身。1983年、ラジオ番組の構成作家としてデビュー。「笑っていいとも!」の出演で全国区に。ライブコンサートも好評で、年末年始の武道館公演も毎年恒例となっている(本人提供)
清水ミチコさん(しみず・みちこ)/岐阜県高山市出身。1983年、ラジオ番組の構成作家としてデビュー。「笑っていいとも!」の出演で全国区に。ライブコンサートも好評で、年末年始の武道館公演も毎年恒例となっている(本人提供)
黒柳徹子さんにご挨拶しに出てきたアケビ。チビは隠れて出てこなかった(清水ミチコさん提供)
黒柳徹子さんにご挨拶しに出てきたアケビ。チビは隠れて出てこなかった(清水ミチコさん提供)
清水ミチコさんの愛猫アケビ(上)と、アケビのしっぽにちょっかいを出すチビ。「嵐の前の静けさ」だ(清水ミチコさん提供)
清水ミチコさんの愛猫アケビ(上)と、アケビのしっぽにちょっかいを出すチビ。「嵐の前の静けさ」だ(清水ミチコさん提供)

 唯一無二のものまね芸で多くのファンを魅了する清水ミチコさんは「動物なら何でも好き」。AERA増刊「ニャエラみっけ」では、愛たちへの愛と、やっぱり想像の“斜め上”をいくエピソードを披露してくれました。

【黒柳徹子さんにご挨拶しに出てきたアケビの写真はこちら】

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 動物は昔から何でも好きです。小さいときは犬や猫を飼っていましたし、お祭りではヒヨコや金魚を買うことも。飼育委員も何度もやりました。人生において、ペットがいないということがあんまりないんです。それで、もう12年前になるのかな、猫を飼いたくてペットショップに行きました。その当時は保護団体も全然知らなくて……。そこで出会ったのが、アビシニアンのアケビ(通称アビ)です。

 仕事で夫婦が家を空けることも多いから、泊まりのときにアビが1匹だとかわいそうだなと思っていたところへ、保護猫のいる場所で対談の仕事があったんです。そこにいた一匹の猫がかわいくて、引き取ることに決めました。保護団体の方が色々とチェックしに我が家に来て、「この家ならよろしい」と(笑)。そうして来たのが、今、7歳のチビ。両方とも女の子です。

 留守中に1匹だとアビがかわいそうだろうという私の優しい気持ちに反して、この2匹が仲が悪いんですよ(笑)。チビはなんとかなつこうとして、アビの後ろからそーっと近寄るんですけど、そのたびにアビがものすごく怒る。時間が解決するかと思ったけど、ダメですね。

 性格も違います。アビはクールだけど、チビは家族にべったりで、他人が家に来ると姿を消します。逆にアビは、お客さんになつきはしないけど、「なでるならどうぞ」という感じで。

 そういえば以前、家に黒柳徹子さんが来たことがあるんです。黒柳さんがお帰りになるというので、私が2階へコートを取りに行っていたら、下から「ありがとうございます。でももう、おいとましなくちゃいけないので、これで失礼します。ごめんなさい」と聞こえてきて。てっきり私は誰か家族が帰ってきたんだと思っていたら、黒柳さん、アビとしゃべっていたんです。猫にも分け隔てなく、とてもきれいな言葉づかいでした。

 猫を飼ってから、たとえば人間関係で疲れていても、無心になって猫と遊んでいると、いつのまにか忘れています。あと、この年になると夫婦の会話なんてなくなってくるものですけど、猫の爪切りは夫婦の共同作業です。夫が猫をつかまえていて、私が切る。そうそう、チビは私になついていて、夜寝る時も私のそばで寝たりするんですが、アビは夫になついている。食事のときによく夫の膝の上に来ています。私になつかない動物は初めて。びっくりです。

 不思議なのは、私が家でモンゴルのホーミーの物まねをすると、アビがものすごく喜ぶこと。「それ何? もう一回やって」っていう感じで、ずっとついてくるんですが、チビは逆で気持ち悪がる(笑)。

 猫がいいのは、媚びないところですね。私は犬も大好きだし、今でも犬を飼いたいと思っていますが、犬ってものすごく人間に希望を持っているじゃないですか。信じているというか。それに応えられないのがつらい。その点、猫は自分のことしか考えてない。甘えてくるときも、自分が甘えたいから来るわけで。それでも、家に帰ったときに、アビたちが迎えに来てくれるのはうれしいものです。(構成/編集部・大川恵実)

※AERA増刊「NyAERAみっけ」