(c)2018「散り椿」製作委員会
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 黒澤明作品のキャメラマンとして数々の名作を撮ってきた木村大作監督が初の時代劇「散り椿」を完成させた。監督がこだわった美しい時代劇とは? 主演の岡田准一と西島秀俊に話を聞いた。

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――葉室麟の同名小説を、長年黒澤明の助監督として活躍した小泉堯史が脚本化。時代劇としては前代未聞の全編オールロケを敢行し、時代の空気感をも映し込む。岡田が演じたのは、かつて藩を追放されるも妻の最期の願いを胸に藩の不正や権力に立ち向かっていく剣豪・瓜生新兵衛。新兵衛と同じ道場で四天王の一人だった榊原采女(うねめ)を西島が演じた。

岡田准一:木村大作監督から「追憶」の撮映後にオファーをいただきました。その前から企画があった作品なので、大作さんが僕とやりたいと思ってくださることを光栄に思いつつ、自分がきちんと力になれるのかすごく考えました。

西島秀俊:僕は大作さんの組はとても大変、命がけだという話を聞いてて。でも、僕はキツイ現場が好きなので(笑)。出演していた役者さんに、もし大作さんに会ったら、「西島が出たいと言っていたと伝えてくれ」って言ってました。実際にお話をいただいた時は非常に嬉しかったですね。

岡田:僕は今回、「大作さんは怖くないですよ」と伝える役目でした(笑)。大作さんは映画の世界でレジェンドなので、キャストでもスタッフでも、大作さんの存在だけで恐縮する方が出てくる。でも、大作さんはそれを望んでいるわけではないので、女優さんには「最初が肝心だから、大ちゃんって呼んだ方がいいですよ」って言ってました。

西島:僕も言われました(笑)。結局、僕は現場では大作さんでしたけど。

――撮影の準備で木村監督からの要望は「殺陣」だった。今回、岡田も殺陣の指導を担った。

岡田:とにかく殺陣は「見たことのない殺陣をやりたい」と言われましたね。3カ月間殺陣の稽古をしたというより、殺陣を構成することに3カ月。作ったり壊したりしました。役者さんには迷惑かけました。次に稽古場に来たらまた違う殺陣になっていたりして。大作さんと僕が殺陣について話し込んでいたりするので、みんな「大丈夫かな」という感じだったのではないかと思います。

西島:そんなことないです(笑)。でも、最後の敵陣との対決シーンの殺陣はすごかったですね。本当に土砂降りとなって。大作さんは凄まじく気合が入っていたし、なんか今、すごいことが起きているなと感じてた。僕は最初に返り血を浴びたんですけど、ものすごい血で顔が真っ赤に。それがすごく気に入りました(笑)。

岡田:つらいのが好きですからね(笑)。

西島:あれで岡田君はもっと血を浴びようと思ったでしょ?

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